Windowsのコマンドプロンプトを利用する際、ディレクトリの階層構造を直感的に把握したい場面は多々あります。
特にプロジェクトの資料作成や、ソースコードの管理において、どのフォルダにどのファイルが格納されているかを視覚的に示すことは重要です。
このような時に非常に便利なのが、フォルダ構成を樹状図(ツリー形式)で出力する「tree」コマンドです。
エクスプローラーでは把握しづらい深い階層構造も、コマンド一つで一目瞭然のテキスト形式に変換できます。
本記事では、コマンドプロンプトのtreeコマンドについて、基本的な使い方から実用的なオプション、さらには実行結果をファイルに保存する方法まで詳しく解説します。
treeコマンドの基本的な使い方
まずは、最もシンプルにtreeコマンドを実行する方法を確認しましょう。
コマンドプロンプトを起動し、調査したいディレクトリに移動した状態で「tree」と入力してEnterキーを押します。
rem 現在のディレクトリのフォルダ構成を表示します
tree
このコマンドを実行すると、現在のカレントディレクトリを頂点としたフォルダの階層構造が表示されます。
フォルダ パスの一覧
ボリューム シリアル番号は XXXX-XXXX です
C:.
├─Documents
│ ├─Reports
│ └─Manuals
└─Images
└─Screenshots
デフォルトの状態では、「フォルダ(ディレクトリ)」のみが表示対象となり、ファイル名は表示されません。
また、特定のフォルダを指定して実行したい場合は、treeの後にパスを入力します。
rem Cドライブの「Work」フォルダの構成を表示します
tree C:\Work
このように引数としてパスを渡すことで、カレントディレクトリ以外の場所も簡単に確認できます。
ファイル名まで表示する「/F」オプション
treeコマンドの真価を発揮させるのが、ファイル名も含めて表示する「/F」オプションです。
フォルダ構成だけでなく、その中にどのようなファイルが含まれているかを一覧にしたい場合に重宝します。
rem ファイル名を含めてツリー表示します
tree /f
このオプションを付与すると、出力結果は以下のようになります。
フォルダ パスの一覧
ボリューム シリアル番号は XXXX-XXXX です
C:.
├─Documents
│ ├─Reports
│ │ Report_2026.docx
│ │ Data.xlsx
│ │
│ └─Manuals
│ Guide.pdf
│
└─Images
photo.png
各フォルダの中に格納されている具体的なファイル名が表示されるため、納品物の構成確認やバックアップ内容のチェックに最適です。
なお、ファイル数が多いディレクトリで実行すると、画面が激しくスクロールされるため注意が必要です。
テキスト形式の罫線を使用する「/A」オプション
treeコマンドの標準出力では、ディレクトリの繋がりを示すためにグラフィカルな罫線文字が使用されます。
しかし、使用しているテキストエディタや文字コードの設定によっては、これらの罫線が文字化けしてしまうことがあります。
そのような場合は、罫線の代わりに「+」や「-」などのアスキー(ASCII)文字を使用する「/A」オプションが有効です。
rem 罫線の代わりにテキスト文字を使用して表示します
tree /a
実行結果は以下のようになり、非常にシンプルな見た目となります。
Folder PATH listing
Volume serial number is XXXX-XXXX
C:.
+---Documents
| +---Reports
| \---Manuals
\---Images
\---Screenshots
このオプションは、海外の環境とのデータのやり取りや、古いシステム上でのテキスト表示において非常に有用です。
また、メール本文に貼り付ける際なども、文字化けのリスクを最小限に抑えることができます。
treeコマンドの主なオプション一覧
ここで、treeコマンドで使用できる主要なオプションを整理しておきましょう。
| オプション | 説明 |
|---|---|
| /F | 各フォルダに含まれるファイル名を表示します。 |
| /A | グラフィカルな文字の代わりにテキスト(ASCII)文字を使って接続を表示します。 |
| パス | 表示対象とするディレクトリのパスを指定します。省略時はカレントディレクトリです。 |
これらのオプションは組み合わせて使用することも可能です。
例えば、tree C:\Project /f /aのように記述すれば、指定したパスのファイル構成をアスキー文字で出力できます。
実行結果をテキストファイルに保存する方法
コマンドプロンプト上に表示される内容は、コピー&ペーストでも取得できますが、量が多い場合は不便です。
リダイレクトという機能を使えば、treeコマンドの実行結果をそのままテキストファイルに保存することができます。
rem フォルダ構成を「structure.txt」というファイルに出力します
tree /f > structure.txt
上記のコマンドを実行しても画面には何も表示されませんが、カレントディレクトリに「structure.txt」が作成されます。
作成されたファイルを開くと、コマンドプロンプトで見た通りのツリー構造が保存されていることが分かります。
ドキュメント作成の際に、このテキストファイルから内容をコピーすることで、正確なフォルダ構成図を素早く資料に組み込めます。
もし既存のファイルに追記したい場合は、>>という記号を使用してください。
rem 既存のファイルに結果を追記します
tree /f >> project_log.txt
実用的なテクニックと注意点
treeコマンドをより便利に活用するためのテクニックを紹介します。
特定の深さまで表示する方法はある?
実は、Windowsの標準treeコマンドには「表示する階層の深さを制限する」というオプションが存在しません。
巨大なディレクトリ構造のトップレベルで実行してしまうと、終了まで膨大な時間がかかることがあります。
もし深い階層を無視したい場合は、一度目的のフォルダにcdコマンドで移動してから実行するか、PowerShellの利用を検討してください。
PowerShellであれば、以下のようなコマンドで階層指定が可能です。
# PowerShellで2階層目までを表示する例
Get-ChildItem -Recurse -Depth 2
コマンドプロンプトに拘らないのであれば、状況に応じて使い分けるのが効率的です。
ネットワークドライブでの実行
treeコマンドは、ネットワークドライブに対しても有効です。
共有フォルダの整理状況を確認する際に、ネットワークパスを直接指定して実行できます。
tree \\ServerName\SharedFolder /f
ただし、サーバー上のファイル数が多い場合はネットワーク負荷や処理時間に注意が必要です。
文字化けが発生した場合の対処
日本語のファイル名が含まれている場合に、リダイレクトしたテキストファイルが文字化けすることがあります。
これはコマンドプロンプトの標準文字コード(通常はShift-JIS)と、エディタの文字コードの不一致が原因です。
必要に応じて、chcp 65001というコマンドを実行して文字コードをUTF-8に変更してから実行するなどの対策を行ってください。
まとめ
コマンドプロンプトのtreeコマンドは、非常にシンプルながらも強力なツールです。
複雑に絡み合ったフォルダ構造を一目で把握できるようにし、情報の整理や他者への共有をスムーズにします。
ファイル名まで表示する「/F」オプションと、互換性を高める「/A」オプションの二つを覚えるだけで、業務効率は大幅に向上するでしょう。
リダイレクト機能を活用して、日々の業務報告やマニュアル作成に役立ててみてください。
GUIのエクスプローラーだけでは得られない、テキストベースならではの利便性をぜひ体感してください。
