NVIDIAは、AIによる音声・映像の補正機能を備えた「NVIDIA Broadcast 2.3」を公開しました。
今回の更新では、ライブ配信やビデオ会議だけでなく、保存済みの動画・音声ファイルにもエフェクトを適用できるようになり、対応GPUに「RTX Spark」が加わっています。
既存のメディアを処理できる「ファイルプロセッサー」
これまでNVIDIA Broadcastは、マイクやスピーカー、Webカメラの映像をリアルタイムに加工する用途が中心でした。
バージョン2.3で追加された「ファイルプロセッサー」モードでは、対応する音声・映像エフェクトを既存ファイルに適用し、収録済みのコンテンツを後から調整できます。
たとえば、録画した動画の背景ノイズを軽減したり、映像をアップスケールしたりする用途が考えられます。
| 項目 | 対応内容 |
|---|---|
| ファイル形式 | MP4、M4A、MP3、WAVE |
| 映像コーデック | H.264、8bit |
| 音声コーデック | AAC |
| 音声チャンネル | 最大2チャンネル |
リアルタイム処理のように一定の速度を保つ必要がないため、一部のエフェクトではライブモードより高品質な処理が可能とされています。
ただし、ライブ処理とファイル処理を同時に実行することはできません。
映像を高精細化・高フレームレート化するAI機能
新たにベータ版として、「RTX Video Super Resolution」と「RTX Video Frame Generation」も利用できるようになりました。
RTX Video Super Resolutionは、Webカメラ映像やファイル内の動画を最大4K解像度までアップスケールする機能で、GeForce RTX 3060以上が必要です。
RTX Video Frame Generationは、ライブモードではWebカメラ映像を最大60fpsにし、ファイル処理では動画のフレームレートを2倍または4倍に引き上げます。
こちらの機能を利用するには、GeForce RTX 40シリーズ以上が必要です。
いずれもベータ提供のため、利用環境や素材によって処理結果が異なる可能性があります。
AIエージェント連携やStudio Voiceも強化
今回の更新では、MCPサーバーを介してAIエージェントがBroadcastの設定を読み取り、変更できるようになりました。
ファイルプロセッサーを使ったファイル処理も指示できますが、操作はローカルコンピューター上に限られます。
また、Studio Voiceには「Default」「Bright」「Full」「Warm」の4種類のマイクプロファイルが追加され、声の印象に合わせて音質を選びやすくなりました。
RTX Sparkにネイティブ対応
NVIDIA Broadcast 2.3は、新たに「RTX Spark」でもネイティブ動作に対応します。
動作には、GeForce RTX 2060、Quadro RTX 3000、TITAN RTX、RTX Spark以降のGPUが必要です。
OSは64bit版Windows 10/11に対応し、Arm版WindowsではWindows 11が対象となります。
まとめ
NVIDIA Broadcast 2.3では、リアルタイムの配信支援に加えて、収録済みの動画や音声を加工するワークフローが加わりました。
ファイル処理、映像のアップスケールやフレーム生成、AIエージェント連携など、用途の幅を広げる更新ですが、機能ごとに対応GPUが異なる点には注意が必要です。
