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JavaScriptのletとconstの違いとは?使い分けの判断基準と現代のベストプラクティスを解説

JavaScriptにおける変数宣言は、プログラムの挙動を左右する極めて重要な要素です。

かつて主流だったvarに代わり、現在ではletconstを適切に使い分けることが開発者の標準的なスキルとなっています。

本記事では、これら2つの宣言方法の根本的な違いから、実務で迷わないための判断基準、そして2026年現在の開発現場で推奨されるベストプラクティスまでを詳しく解説します。

モダンJavaScriptにおける変数宣言の重要性

JavaScriptの進化に伴い、コードの可読性と保守性を高めるために、変数の「スコープ」と「再代入の有無」を明確に制御することが求められるようになりました。

ES6(ECMAScript 2015)で登場したletconstは、それまでのvarが抱えていた「意図しない変数の上書き」や「スコープの曖昧さ」といった課題を解決するために導入されました。

2026年現在のフロントエンド開発やNode.jsを用いたサーバーサイド開発において、varを使用する機会はほぼ皆無と言っても過言ではありません。

しかし、letconstをどのように使い分けるべきか、あるいはなぜconstが推奨されるのかという点について、正確な理解を深めることは、バグの少ない堅牢なアプリケーションを構築する第一歩となります。

letとconstの根本的な違い

letconstの最大の違いは、宣言した後に値を書き換える(再代入する)ことができるかどうかという点にあります。

再代入の可否

letは「変数」としての性質が強く、一度代入した値を後から変更することが可能です。

これに対し、constは「定数(constant)」を定義するためのものであり、一度値を代入すると、その変数に対して二度と別の値を代入することはできません。

JavaScript
// letの場合:再代入が可能
let userStatus = "offline";
console.log(userStatus); // 出力: offline

userStatus = "online"; // 値を書き換える
console.log(userStatus); // 出力: online

// constの場合:再代入は不可
const apiKey = "ABC-12345";
console.log(apiKey);

// apiKey = "XYZ-98765"; // エラーが発生する
実行結果
offline
online
ABC-12345
Uncaught TypeError: Assignment to constant variable.

上記のコードが示す通り、constで宣言された変数に値を再代入しようとすると、実行時にTypeErrorが発生します。

この制約があるからこそ、コードを読む人は「この変数の値はプログラムの途中で変わることがない」と確信を持って読み進めることができます。

スコープの挙動

letconstはどちらも「ブロックスコープ」を持ちます。

これは、{}(波括弧)で囲まれた範囲内でのみ変数が有効であることを意味します。

特徴letconstvar (参考)
スコープブロックスコープブロックスコープ関数スコープ
再代入可能不可能可能
再宣言不可能不可能可能

ブロックスコープの利点は、特定の処理(if文やfor文など)の中だけで使用する変数が、その外側に影響を与えないことです。

これにより、意図しない名前の衝突やデータの汚染を防ぐことができます。

再代入不可=完全な不変ではない?注意点

ここで多くの学習者が躓きやすいポイントがあります。

それは、constで宣言したからといって、格納されているデータそのものが変更不能(イミュータブル)になるわけではないという点です。

プリミティブ型の場合

数値、文字列、真偽値、null、undefinedなどの「プリミティブ型」をconstで宣言した場合、その値自体を変更することはできません。

これは直感的な挙動と言えます。

オブジェクト・配列の場合

一方で、オブジェクトや配列をconstで宣言した場合、「変数への再代入」は禁止されますが、「オブジェクトのプロパティ」や「配列の要素」の変更は可能です。

JavaScript
const userData = {
  id: 1,
  name: "Tanaka"
};

// オブジェクトそのものの再代入は不可
// userData = { id: 2, name: "Sato" }; // TypeError

// プロパティの変更は可能
userData.name = "Sato";
console.log(userData.name); // 出力: Sato

const numbers = [1, 2, 3];
numbers.push(4); // 配列への要素追加は可能
console.log(numbers); // 出力: [1, 2, 3, 4]
実行結果
Sato
[1, 2, 3, 4]

JavaScriptのconstが保証するのは、あくまで「変数に格納されたメモリ上の参照アドレスが変わらないこと」です。

オブジェクトの中身まで完全に固定したい場合は、Object.freeze()を使用するか、TypeScriptなどの静的型付け言語や不変性を扱うライブラリを併用する必要があります。

JavaScriptにおけるホイスティング(巻き上げ)とTDZ

letconstを語る上で欠かせないのが「巻き上げ(Hoisting)」の挙動です。

varで宣言された変数は、スコープの先頭で宣言されたかのように扱われ、宣言前にアクセスしてもundefinedが返るだけでエラーにはなりません。

しかし、letconstにはTDZ(Temporal Dead Zone:一時的死区)という仕組みが存在します。

JavaScript
console.log(myVar); // undefined (varの場合)
var myVar = "Hello";

// console.log(myLet); // ReferenceError (letの場合)
let myLet = "World";
実行結果
undefined
Uncaught ReferenceError: Cannot access 'myLet' before initialization

letconstで宣言された変数は、コード上の宣言箇所に到達するまでアクセスすることができません。

この挙動により、「変数は使う前に必ず宣言する」という健全なプログラミング習慣が強制され、実行時の予期せぬエラーを未然に防ぐことができます。

2026年現在の使い分け判断基準

多くの開発プロジェクトやガイドラインにおいて推奨されている判断基準は非常にシンプルです。

基本は「まずconst」

現代のJavaScript開発における黄金律は、「すべての変数をまずはconstで宣言する」ことです。

プログラム内で定義される変数の大部分は、実は一度代入した後に値を変更する必要がありません。

constを多用することで、以下のようなメリットが得られます。

  1. 意図の明確化:この変数は以降の処理で変わらないという意思表示になる。
  2. バグの防止:誤って値を上書きしてしまうミスをコンパイル時や実行時に検知できる。
  3. 可読性の向上:変数の追跡が容易になり、コードの論理構造を把握しやすくなる。

letを選択すべき具体的なケース

letを使用するのは、「どうしても再代入が必要な場合」に限定します。

具体的には以下のようなケースが挙げられます。

1. ループカウンタ

for文などで、繰り返しのたびに値が増減する変数にはletを使用します。

JavaScript
for (let i = 0; i < 5; i++) {
  console.log(i);
}

2. 条件によって値を切り替える場合

初期値を与えた後、if文などの条件分岐によって後から内容を上書きしたい場合です。

ただし、これも三項演算子などを使うことでconstに置き換えられるケースが多いです。

JavaScript
let message;
if (isLoggedIn) {
  message = "おかえりなさい!";
} else {
  message = "ログインしてください。";
}

3. 数値計算の累計

合計値を算出する際など、値を加算していく必要がある場合です。

JavaScript
let totalScore = 0;
scores.forEach(score => {
  totalScore += score;
});

コードの品質を高めるためのベストプラクティス

さらに一歩進んだ開発を行うために、以下のポイントを意識してみてください。

無闇なletを避け、関数型のアプローチを検討する

先ほどの合計値を求める例では、letを使って値を更新していましたが、JavaScriptの標準メソッドであるreduceなどを使用すれば、constのみで記述することが可能です。

JavaScript
// letを使わないアプローチ
const totalScore = scores.reduce((sum, score) => sum + score, 0);

このように、letを使わずに済む方法がないか検討することは、副作用の少ないクリーンなコードを書く習慣に繋がります。

意味のある命名を徹底する

constで宣言する定数は、その内容が何であるかを明確に示す名前を付けるべきです。

特にマジックナンバー(意味不明な数値)をconstに格納して名前を付けることは、保守性を劇的に向上させます。

JavaScript
const MAX_LOGIN_ATTEMPTS = 5;
const timeoutDurationMs = 3000;

スコープを最小限に保つ

変数は、それが必要とされる最も狭いスコープで宣言してください。

グローバルスコープに近い場所でletを宣言すると、どこで値が書き換えられたかを追跡するのが困難になります。

まとめ

JavaScriptにおけるletconstの使い分けは、単なる文法の選択ではなく、「コードの意図をいかに正確に伝えるか」という設計上の重要な意思決定です。

  • const:デフォルトで使用する。再代入を禁止し、コードの予測可能性を高める。
  • let:ループや条件付きの更新など、再代入が不可欠な場合のみ使用する。
  • var:現代の開発では使用しない。

2026年のJavaScript開発において、不変性(Immutability)を意識したプログラミングはますます重要性を増しています。

まずは全ての変数をconstで書き始めてみてください。

どうしてもletが必要になったとき、それは「なぜここでは値が変わらなければならないのか?」と設計を再考する良い機会になるはずです。

正しい使い分けをマスターし、安全でメンテナンス性の高いJavaScriptコードを記述していきましょう。

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