Microsoftは、デスクトップ版Microsoft Edgeの「IEモード」を少なくとも2029年末までサポートする方針を、2026年9月16日(現地時間)にMicrosoft 365管理センターのメッセージセンターで改めて案内しました。
今回の周知は、IEモードの終了が直ちに迫っているという意味ではありませんが、IEモードに依存する業務システムを抱える組織には、利用状況の把握と移行計画の早期策定が求められます。
IEモードは少なくとも2029年末までサポート
IEモードは、Internet Explorer(IE)向けに作られたWebサイトやアプリを、Microsoft Edge上で利用するための互換機能です。
通常のEdgeが最新のWeb標準を利用する一方、IEモードではIE固有の技術を必要とするコンテンツを開けるため、古い業務システムや社内ポータルを使い続ける組織で利用されています。
Microsoftは、IEモードを少なくとも2029年末までサポートするとしています。
ただし、これは2029年末に必ず終了するという意味ではなく、現時点で示されているサポート期間の目安です。
また、MicrosoftはIEモードを終了する場合、少なくとも1年前に通知すると説明しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| サポート期間 | 少なくとも2029年末まで |
| 終了時の通知 | 終了の少なくとも1年前に通知 |
| 今回の案内 | Microsoft 365管理センターのメッセージセンターで再周知 |
| 利用していない組織 | IEモードに関する移行対応は不要 |
サポート期間内でも移行準備が必要な理由
サポートが続くからといって、IEモードに依存した環境をそのまま維持するのが望ましいとは限りません。
業務アプリの改修や置き換えには、利用部門との調整、開発会社との契約、データ移行、テストなどが必要になり、依存関係が多い場合は完了まで何年もかかることがあります。
期限が近づいてから着手すると、改修の遅れや予算不足によって、業務の継続に影響が出るおそれがあります。
さらに、IEモードの利用を続けることで、古い技術への依存やセキュリティ上のリスクを抱え続ける可能性もあります。
Microsoftは2025年10月、IEモードの利用に関する制限を追加しています。
これはIEモードを直ちに利用できなくするものではありませんが、必要性を定期的に確認し、利用範囲を適切に管理する重要性を示す動きといえます。
Microsoftが推奨する移行準備
1. IEモードが必要なサイトやアプリを洗い出す
最初に、どの業務でIEモードが使われているのかを把握します。
Microsoftは、既存の「Enterprise Mode Site List」と実際の利用状況を確認し、IEモードを必要とするWebサイトやアプリを一覧化するよう勧めています。
一覧には、利用部門、業務上の重要度、管理担当者、利用頻度、システムの保守期限なども記録しておくと、移行の優先順位を決めやすくなります。
2. アプリごとに移行方法を検討する
依存するサイトやアプリを特定したら、すべてを同じ方法で移行するのではなく、システムごとに対応策を評価します。
- 現行アプリを改修し、最新のブラウザーに対応させる
- 別の環境へ移行して稼働させる
- 既存製品やサービスに置き換える
- 新しい技術を使って再構築する
どの方法を選ぶかは、アプリの重要度や利用者数、開発元のサポート状況、改修費用、将来の運用負担などを踏まえて判断します。
移行先の決定後は、実際の業務データや利用手順を使った検証期間も計画に含めることが大切です。
3. 必要に応じてMicrosoftの支援を利用する
Microsoftは、EdgeやIEモードでアプリの互換性に問題が起きている対象顧客に対し、「Microsoft App Assure」による無償支援を提供しています。
自社だけで原因を特定できない場合や、移行先で動作するか判断が難しい場合は、対象条件や利用方法を確認したうえで支援の活用を検討できます。
利用していない場合も確認しておきたいこと
Microsoftによると、IEモードを利用していない組織は、今回の案内を受けて特別な移行対応を行う必要はありません。
ただし、情報システム部門が把握していない部署独自の利用や、特定の端末だけに残る設定がないかを確認すると、見落としを防げます。
利用状況を確認した結果、IEモードへの依存がないと分かれば、その記録を残しておくことで、今後の監査やシステム更新時にも役立ちます。
まとめ
Microsoft EdgeのIEモードは、少なくとも2029年末までサポートされる見込みですが、サポート期間があることは、移行を先送りしてよいという意味ではありません。
まずはEnterprise Mode Site Listや利用状況を確認し、依存するサイトやアプリを特定したうえで、改修・移行・置き換え・再構築の方針を検討しましょう。
時間をかけて段階的に移行できるよう、早い段階で関係部門と計画を共有することが、業務への影響を抑えるための重要なポイントです。
