イラスト・マンガ・Webtoon・アニメ制作で定番の「CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)」。
2024〜2025年にかけて価格改定と大型アップデートが行われ、「今、どのプランを選ぶのが得なのか」「新機能は本当に使えるのか」がかなり分かりづらくなっています。
この記事では、価格改定のポイントと、新機能の“おいしいところ”だけをざっくり整理しつつ、「PROとEXどちらを買うべきか」「サブスクと無期限版どっちが得か」まで一気にガイドします。

CLIP STUDIO PAINTの価格改定と新機能の全体像
CLIP STUDIO PAINT最新アップデートのポイント

CLIP STUDIO PAINTは、Ver.4.0世代を軸に「価格体系の整理」と「機能強化」が同時進行しています。
ざっくり押さえるべきポイントは次の5つです。
- Windows/macOS向け無期限版(買い切り)はVer.4.0の価格へ
- 無期限版向けのアップデートプラン(年額)が用意され、継続的に新機能を追加
- PC/タブレット/スマホを横断するサブスク(1デバイス〜複数デバイス)は実質的な値上がり
- スマホ専用の格安プランと「1日1時間無料」枠は継続
- 新機能は描画の快適さ・マンガ/アニメ/3D・クラウド連携を中心にアップデート
「高くなったのでは?」と不安になるかもしれませんが、用途がハッキリしていれば、まだかなりコスパは良い状態です。
後半で、タイプ別に「どのプランがベストか」を具体的に整理します。
価格改定の背景と今後のアップデート方針

CLIP STUDIO PAINTの価格改定には、いくつか明確な理由があります。
まず、対応範囲がPCだけでなくiPad・Androidタブレット・スマホ・Chromebookまで広がり、さらにアニメ・Webtoon・3D・クラウドといった周辺機能も毎年のように拡張されています。
このため、買い切りだけでは継続的な開発コストを賄いにくいという事情があります。
その結果、
- 無期限版(Ver.4.0)で「ベース機能」を明確に区切る
- それ以上の新機能はアップデートプラン or サブスクで継続課金してもらう
という“継続アップデート前提”のモデルにシフトしました。
この方針によって、今後も
- 新しいOS(Windows/macOS/iPadOS/Android)への追従
- Webtoon・アニメ制作ワークフローの最適化
- 3D・AI関連機能の拡充
- クラウド・素材周りのサービス強化
が継続して行われると見込めます。
趣味〜プロまで「長く使う」人ほど、アップデートプラン or サブスクの恩恵を受けやすい構図になっています。
PROとEXで変わった点(価格・機能)のざっくり比較

まずは、2025年時点での大枠を整理しておきます。
価格のざっくり比較
無期限版(Windows/macOS・Ver.4.0)では、
- PRO:6,400円(税込)
- EX:26,900円(税込)
となっており、EXはPROの約4倍。
サブスク(1デバイス)では、
- PRO:年額3,000円前後(月額換算約250円)
- EX:年額8,300円前後(月額換算約690円)
と、こちらもEXはかなり高めです。
機能のざっくり差分
PROは、
- イラスト・1ページマンガ・短いGIFアニメ
- キャラクターアート・同人イラスト
などに最適な「スタンダード版」です。
一方、EXは、
- 複数ページのマンガ・同人誌・商業誌
- Webtoonの長期連載
- 本格的なアニメーション(複数シーン・長尺)
など、作品単位ではなく“シリーズ作品”を回すための機能が揃っています。
「単発作品中心」ならPRO、「連載・長編・商業クオリティ」ならEXという選び方が基本軸になります。
CLIP STUDIO PAINTとは?(前提のおさらい)
ここから先、「そもそもクリスタって何?」という方のために、最低限だけおさらいします。
開発・用途・利用者層
CLIP STUDIO PAINTは、日本の株式会社セルシスが開発・販売する、イラスト/マンガ/Webtoon/アニメ制作に特化したグラフィックソフトです。
個人のイラストレーター・同人作家から、ゲーム会社・アニメスタジオまで幅広く使われており、“絵を描く人なら一度は名前を聞いたことがある”定番ツールになっています。
特徴としては、
- 紙に近い描き心地(ペンの入り抜き・手ブレ補正)
- ベクターレイヤーと豊富なブラシ
- コマ割り・フキダシ・トーンなどマンガ機能
- タイムライン付きの2Dアニメ機能
- 3Dデッサン人形・3D背景素材
- クラウド連携・素材共有サービス
など、「描く〜仕上げ〜書き出し」までの工程が1本で完結するのが最大の魅力です。
対応グレードと違い(PRO / EX / DEBUT)
PROとEXの位置づけ

公式比較でも示されている通り、両者の立ち位置ははっきり分かれています。
- PRO
イラスト・キャラデザ・1ページマンガ・短いアニメ用。
「描くこと」に必要な機能はほぼ揃っており、多くの人にとっての標準版です。 - EX
PROの全機能+複数ページ管理・Webtoon長編・本格アニメ制作に特化した上位版。
作品管理ウィンドウ・Webtoonテンプレ・長尺アニメのシーン管理・PDF/EPUB一括出力など、商業・連載を見据えた人向けになっています。
DEBUT版について
DEBUTは、
- 入門者向けの機能限定版
- 単体販売はなく、TABMATEなどの周辺機器購入特典やpixivプレミアム特典などで入手
という位置づけです。
本格的に使うなら、最初からPRO or EXを前提に考えた方がスムーズです。
対応OS・デバイス
CLIP STUDIO PAINTはマルチプラットフォーム対応です。
- PC:Windows / macOS
- タブレット:iPad / Androidタブレット / 一部Chromebook
- スマホ:iPhone / Androidスマホ / Galaxy専用版
1つのアカウントで複数デバイスをまたいで作品をクラウド共有できるので、「自宅のPCで下描き→通勤のスマホでラフ修正→カフェのiPadで仕上げ」のような使い方も可能です。
CLIP STUDIO PAINTの新機能まとめ
ここからは、価格の話とセットで気になる「新機能」「どこが強化されたのか」を、ジャンル別にざっくり整理します。
描画・ペイント周りの強化ポイント

描画周りは、もともと評価が高かった部分ですが、アップデートで次のような点が強化されています。
ペンエンジン・手ブレ補正のチューニング
ペンの入り抜き・速度での線幅変化などがより自然になり、ラフ〜線画まで紙に近い感覚で描けるようになりました。
特に、
- 線を引いたときの「遅延」や「カクつき」が減少
- 高解像度キャンバスでも安定しやすくなった
など、ハイスペックでないPCやタブレットでも快適に動くよう調整が進んでいます。
ブラシ・テクスチャ・公式素材の充実
公式の素材配布サイト「CLIP STUDIO ASSETS」では、
- ブラシ・トーン・パターン・3D素材など10万点超
- ユーザー制作の高品質ブラシも多数
が配布されており、アップデートでこれらとの連携も改善。
「線画だけ自分で、塗りは配布ブラシで時短」といったワークフローが現実的になっています。
ベクターレイヤーの利便性アップ
ベクターレイヤーでは、
- 後から線幅・形状を細かく調整
- ベクター消しゴムで交差部分だけ一気に削除
といった機能が強化され、「きれいな線を出すための修正コスト」がかなり減るようになっています。
マンガ・Webtoon機能のアップデート内容

マンガ・Webtoon周りでは、
- コマ割りツール(コマ枠フォルダー)の使い勝手向上
- Webtoon向け縦スクロールキャンバス・出力機能の洗練
- ページ管理機能(EX)のUI調整
など、実際の制作フローに即した細かい改善が続いています。
特に、Webtoon制作では、
- 縦長キャンバスをスマホ表示前提でプレビュー
- 書き出し時にサービス仕様に合わせた分割・解像度調整
といった機能が強化されており、韓国系Webtoonプラットフォームを意識した作りになってきています。
アニメーション制作機能の新要素

アニメーション機能は、EXを中心に本格的な2Dアニメ制作ツールとして育っています。
- タイムライン上でのキーフレーム管理
- ライトテーブル(原画・中割り参照)
- オニオンスキン(前後フレーム透かし表示)
といった基本機能に加え、EXでは、
- 長尺アニメーションの制作(フレーム数制限緩和)
- 複数シーンをまとめて管理
- 書き出しフォーマットの拡張
が進んでおり、ショートアニメ〜OP・EDレベルまでクリスタだけで完結しやすくなっています。
PROでも24コマまでの簡易アニメが作れるため、
- SNS用のループGIF
- キャラクターのちょっとした動き
などを作るには十分です。
「アニメをメインでやるかどうか」がPRO/EX選択の大きな分かれ目になります。
3Dデッサン人形と3D素材の進化点

3D周りでは、デッサン人形と3D背景の扱いやすさが年々改善されています。
- 体型・頭身・筋肉量の調整
- 豊富なポーズプリセット(走る・座る・アクションポーズなど)
- 手のポーズ専用「3Dハンドスキャナー」
などを組み合わせることで、「苦手なアングルのポーズ」も破綻なく描けるようになります。
また、3D背景素材も、
- 室内・街並み・学校・オフィスなどジャンル別に多数
- 読み込んだ3Dを線画として抽出 → トーンや色を乗せて仕上げ
というワークフローが確立しており、背景に悩んで筆が止まる…という時間を大きく減らせるのが大きなメリットです。
クラウド・素材共有まわりの改善点

クラウド・素材共有の改善は、
- 10GBのクラウドストレージ(無期限版・サブスク利用者向け)
- CLIP STUDIO ASSETSからの素材ダウンロードのUI改善
- CLIP STUDIO TIPSとの連携強化
など、「どのデバイスからでも、同じ環境で作業しやすい」方向に進んでいます。
たとえば、
- 自宅PCで原稿を進める
- 外出先ではiPadで続きを描く
- 仕上げだけは再びPCで、大きなモニターを使って行う
といったマルチデバイス制作も、クラウド同期でスムーズに回せます。
CLIP STUDIO PAINTの価格改定
ここから、いちばん気になる「お金の話」を、最新版の情報をベースに整理します。
※具体的な金額は、為替やストア手数料などで変動する可能性があります。
最終的な料金は必ず公式サイトや各ストアの表示価格を確認してください。
買い切り(無期限版)価格改定の内容

Windows/macOS向けの無期限版(Ver.4.0)は、現在おおよそ次の価格帯です。
- CLIP STUDIO PAINT PRO 無期限版:6,400円(税込)
- CLIP STUDIO PAINT EX 無期限版:26,900円(税込)
いずれも、そのバージョン(Ver.4.0)に含まれる機能を期限なく使い続けられる一括買い切りです。
ただし、
- 未来のVer.5.0以降の新機能を使うには、
- アップデートプラン
- あるいは優待バージョンアップ
などが必要になります。
「一度買えば一生、完全に最新機能付き」ではない点は押さえておきましょう。
アップデートプランの料金変更と注意点
無期限版ユーザー向けのアップデートプランは、年額制で次のような価格感です。
- PRO:1,200円/年(税込)
- EX:3,400円/年(税込)
このプランに加入している間だけ、
- 新機能の追加
- バージョンアップへの追随
が行われます。
契約をやめても、無期限版のベース機能はそのまま使えるので、
- 「今はガッツリ使うからアップデートプラン加入」
- 「しばらく描かない時期は解約して、ベース機能だけ残しておく」
といった使い分けも可能です。
年額・月額サブスク(1デバイスプラン)の改定内容

サブスクリプション(年額・月額利用プラン)は、
- Windows / macOS / iPad / iPhone / Galaxy / Android / Chromebook対応
- 1ヶ月 or 1年単位で契約可能
という、デバイス横断で最新機能を使えるプランです。
1デバイスプランの目安としては、
- PRO:
- 月額:約480円
- 年額:約3,000円(実質)
- EX:
- 月額:約980円
- 年額:約8,300円(実質)
という水準になっています。
これを無期限版と比較すると、
- PRO無期限版(6,400円)は、約2〜3年で年額プラン(3,000円/年)と同水準
- 長く使うほど無期限版が有利になりやすい
という構図です。
ただし、マルチデバイス利用や常時最新機能を追いたい場合はサブスクの方が柔軟です。
スマートフォン専用プランの料金と変更点
スマホ専用プランは、
- PRO:月額100円前後
- EX:月額300円前後
と、非常に安価に提供されています。
- iPhone / Android / Galaxy向け
- 基本はサブスクのみ(買い切りなし)
となっており、「まずはスマホだけで試してみる」には最適な入り口です。
加えて、スマホ版は「1日1時間無料」で使えるため、
- 月額すら払わずに、描き味をしっかり試す
- 気に入ればスマホプラン → PC/タブレット向けプランへステップアップ
という導線を取りやすくなっています。
無料体験・初回3ヶ月無料などキャンペーンの現状

無料で試せる入口としては、
- 年額・月額プランの初回3ヶ月無料(一部スマホプラン除く)
- スマホ版の1日1時間無料+CLIPPYでの延長
- デスクトップ/タブレットの体験版(3〜6ヶ月キャンペーンが行われる場合もあり)
などが用意されています。
「まずは無料 → 気に入ったら年額 or 無期限版へ」という階段を上がる形で検討できるので、迷っている方でもリスクなく試せます。
どのプランを選ぶ?料金改定後のおすすめ
ここからは、価格改定後の「タイプ別おすすめプラン」を具体的に整理します。
PCでがっつり描く人向け

PCメインで、
- 毎日 or 毎週がっつり描く
- 将来的にもクリスタを中心ツールにしたい
という方は、無期限版 PROが本命です。
- 初期費用:6,400円(税込)
- 3年以上使えば、年額3,000円のサブスクより安くなる計算
- 必要な年だけアップデートプラン(1,200円/年)に入ればOK
「Photoshop感覚で、ドローイング専用ツールを持っておきたい」という方にも、買い切りの安心感は大きいです。
商業レベルでマンガやアニメを作る予定があるなら、最初からEX無期限版という選択もアリです。
価格は高めですが、
- 同人誌・商業誌の複数巻制作
- Webtoon連載
- 長尺アニメ制作
などを見据えると、「道具に迷わなくて済む安心感」が得られます。
iPad・タブレットユーザー向けプランの選び方
iPad・Androidタブレットで、
- 絵を描くのはほぼタブレット
- PCは持っていない or 補助的
という方は、1デバイスプラン(PRO年額3,000円前後)がもっともバランスが良いです。
- 常に最新機能を利用可能
- デバイス1台でシンプルに管理
- 初回3ヶ月無料でじっくり試せる(キャンペーン時)
「iPadをお絵描き専用機にしたい」人は、このプランがベストな落としどころです。
将来的にPCでの作業も増えそうなら、
- 2デバイス or 複数デバイスプラン
- PC側は無期限版+タブレットはサブスク
など、組み合わせる選択肢もあります。
スマホだけで試したい人向け格安プラン

「まずは気軽に触ってみたい」「PCやタブレットを持っていない」という方には、スマホ版+1日1時間無料がおすすめです。
- アカウント登録だけで、毎日1時間無料
- 気に入ったら
- PROスマホプラン(月100円前後)
- EXスマホプラン(月300円前後)
にステップアップ。
月額ワンコイン以下で本格的な描画体験ができます。
その後、
- 「やっぱり大きな画面で描きたい」となればPC or iPadへ
- そこで1デバイスプラン or 無期限版を検討
という流れが自然です。
価格改定後にPROとEXどちらを選ぶべきか

価格改定後の今、多くのユーザーにとっては「まずPRO」で問題ありません。
PROで十分なケースは、
- イラスト中心
- 1ページ or 数ページの読み切りマンガ
- SNS用の短いアニメ(GIFレベル)
など、「作品数は多くても、1作品あたりのページ数は少なめ」のスタイルです。
最初からEXが向いているケースは、
- 連載マンガ・長編Webtoonを本格的に制作する予定
- 同人誌を毎回複数話・複数巻で出す
- TVアニメレベルの長尺アニメ制作を見据えている
といった“ページ管理・シーン管理”が制作のネックになりそうな場合です。
迷っている場合は、
- 最初はPROで初めて、
- 必要になったタイミングでEXへアップグレード
というルートでも問題ありません。
アップデート前に購入したユーザーへの影響と対応方針
すでに旧バージョンを持っている方は、
- そのバージョンの無期限版は、そのまま使い続けられる
- 新機能を使いたい場合は、アップデートプラン or 優待アップグレード
という扱いになります。
「今の機能で十分」なら、無理にアップデートプランに入る必要はありません。
逆に、
- 新しいOSに乗り換える予定がある
- Webtoonやアニメなど、新ジャンルに挑戦したい
という場合は、アップデートプランに1年だけ入って様子を見るというのも賢い選択肢です。
まとめ

CLIP STUDIO PAINTの価格改定と新機能をざっくり整理すると、
- 無期限版(Ver.4.0)は、PCメインで長く描く人にとって依然として高コスパ
- アップデートプラン&サブスクで、最新機能を継続的に受け取る形にシフト
- 新機能は、描き心地・マンガ/Webtoon・アニメ・3D・クラウドを中心に着実に進化
- スマホ版の格安&無料枠を入口に、PC/タブレット版へステップアップしやすい
という状況です。
「アップデートで何が変わったのか、ざっくり知りたい」という意味では、
- 今から始めるなら、
- PC勢:PRO無期限版 or PRO 1デバイス年額
- iPad勢:PRO 1デバイス年額
- 連載・商業勢:EX
という選び方で大きな失敗はありません。
あとは「実際に触って、自分の手で確かめるだけ」です。
初回3ヶ月無料などのキャンペーンをうまく利用しながら、あなたの制作スタイルにいちばんフィットするプランを選んでください。
- イラスト・同人・個人制作がメインの方へ
CLIP STUDIO PAINT PROを今すぐチェックする - マンガ連載・Webtoon・本格アニメに踏み込みたい方へ
CLIP STUDIO PAINT EXの詳細を見る

