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IT資格の難易度ランキング最新決定版|初心者から最難関まで

ITの世界にはたくさんの資格がありますが、「どれから取ればよいか」「どれが難しいのか」が分からず、最初の一歩で悩む人は多いです。

本記事では初心者から最難関レベルまでを一気に見通せる難易度ランキングという視点で、主要なIT資格を丁寧に解説します。

学習ステップも段階的に紹介しますので、これからITを学び始める方の道しるべとしてお役立てください。

IT資格の難易度ランキングとは

IT資格の種類と特徴

IT資格を3つの観点で整理する

IT資格は種類が多くて混乱しやすいですが、まずは次の3つの観点で整理すると分かりやすくなります。

1つ目は国家資格かベンダー資格かという違いです。

2つ目は対象分野(インフラ、開発、セキュリティなど)です。

3つ目はレベル(初心者向けか、上級者向けか)です。

国家資格とベンダー資格の違い

国家資格とベンダー資格の特徴を簡単に表にまとめます。

種類代表例特徴
国家資格ITパスポート、基本情報、応用情報、IPA高度系など国が定めた試験で、汎用的な知識を問う。日本国内での知名度が高い。
ベンダー資格AWS認定、Oracle Master、CCNA、Java認定など企業(ベンダー)が自社製品・技術に関するスキルを認定する。実務色が濃い

どちらが良い悪いではなく、目的によって選ぶ資格が変わると考えるのが大切です。

分野別の代表的な資格

IT業界でよく話題になる主な分野と、その代表的な資格を挙げます。

分野内容のイメージ主な資格例
IT基礎・総合IT全般の基礎知識ITパスポート、基本情報技術者
プログラミングJava、Pythonなどの言語スキルJava認定、Python認定、基本/応用情報の開発分野
ネットワークルータ、スイッチ、通信プロトコルなどCCNA、ネットワークスペシャリスト
データベースSQL、DB設計、運用Oracle Master、データベーススペシャリスト
クラウドAWS、Azure、GCPなどクラウド基盤AWS認定クラウドプラクティショナー、ソリューションアーキテクト
セキュリティサイバー攻撃対策、暗号、認証など情報処理安全確保支援士、セキュリティ系ベンダー資格

初心者の段階では、いきなり分野を細かく決める必要はありません。

まずはIT全体像を学べる「IT基礎・総合」の資格から検討するとスムーズです。

難易度ランキングを決める基準

難易度は「点数」より「学習コスト」で見る

難易度ランキングというと、「合格率が低いほど難しい」と考えがちですが、初心者にとってはどれだけ時間と労力が必要か(学習コスト)の方が重要です。

ここでは以下の4つの観点から難易度を考えます。

  1. 学習時間の目安
  2. 前提知識の量
  3. 試験範囲の広さ
  4. 問題の思考レベル(暗記中心か、応用・記述中心か)

レベル別のざっくり難易度イメージ

本記事で扱う資格を、学習時間とレベル感でざっくりと並べてみます。

レベル代表的な資格例想定学習時間の目安(初心者)
初心者向けITパスポート、MOS、プログラミング入門系認定、(一部)基本情報50〜150時間程度
中級基本情報技術者、応用情報技術者、CCNA、Oracle Silver、Java/Python中級レベル150〜400時間程度
上級情報処理安全確保支援士、ネットワークスペシャリスト、データベーススペシャリスト、AWS上位400時間以上

ここでの時間はあくまでプログラミングやIT未経験の人がゼロから学んだ場合の目安です。

業務経験がある方はもっと短くなります。

初心者が意識すべきポイント

「取れる資格」ではなく「次につながる資格」を選ぶ

初心者のうちは「合格しやすい資格」を選びたくなりますが、資格はスタート地点であってゴールではありません

そのため、以下のような観点で選ぶと失敗しにくくなります。

  • ITの全体像がつかめるか
  • プログラミングやネットワークなど、自分が興味を持った分野に進みやすいか
  • 将来の就職・転職の場面で説明しやすいか

「とりあえず何か1つ取ればよい」という発想で選んでしまうと、その後の学習につながりにくくなってしまいます。

学習スタイルとの相性も大事

初心者の場合、資格の内容だけでなく「どんな学習スタイルが合っているか」も大きなポイントです。

例えば、暗記が得意な人はITパスポートから入りやすく、手を動かして覚える方が得意な人はプログラミング入門資格やMOSからの方が続けやすい傾向があります。

初心者向けIT資格

ITパスポートの難易度と合格の目安

ITパスポートとは何か

ITパスポートはITの「一般教養」のような位置づけの国家資格です。

内容は経営・IT・セキュリティなど幅広く、社会人全般を対象としています。

項目内容
試験形式CBT(パソコンを使った多肢選択式)
出題数100問前後
合格ライン総合で60%以上、分野ごとに30%以上
想定学習時間IT未経験で50〜100時間程度

難易度と合格のポイント

ITパスポートは暗記中心の試験で、数学やプログラミングの高度な知識は必須ではありません

そのため、完全な初心者でも十分合格を狙えます。

ただし、用語が多くて最初はとっつきにくく感じやすいです。

そのため図やイラストの多いテキストを選び、1周ざっと読み流したあと、問題演習を繰り返す勉強法が効果的です。

基本情報技術者の難易度と勉強範囲

基本情報技術者とは

基本情報技術者試験(通称FE)は、ITエンジニアの入門〜中級レベルの国家資格です。

ITパスポートよりも技術寄りで、プログラミングやアルゴリズムも本格的に出題されます。

項目内容
試験形式CBT(多肢選択式。一部プログラム読解など)
出題範囲ITパスポート+プログラミング、アルゴリズム、情報数学など
想定学習時間IT未経験で150〜250時間程度

勉強範囲のイメージ

基本情報では、次のような分野が出題されます。

  • コンピュータの仕組み(CPU、メモリ、2進数など)
  • ネットワークやデータベースの基礎
  • ソフトウェア開発の流れ(要件定義〜テスト)
  • プログラミング・アルゴリズム
  • セキュリティ、マネジメント、ストラテジ分野

「これを全部完璧にしないと合格できない」と考えると挫折しやすいので、頻出分野を優先する戦略が大切です。

プログラミング部分のイメージをつかむ簡単な例

基本情報のプログラミングでは、特定の言語を実装するというより、アルゴリズムの考え方を問う問題が多いです。

例えば、「1からNまでの合計を求める」といった処理を疑似言語で読む・書く問題がよく出ます。

ここで、C言語風の簡単なサンプルコードを見て、処理のイメージをつかんでみましょう。

C言語
#include <stdio.h>

// 1 から n までの合計を求めるプログラム
int main(void) {
    int n = 10;         // 合計を求めたい最大値
    int sum = 0;        // 合計値を入れる変数(はじめは 0)

    // i を 1 から n まで 1 ずつ増やしながら、sum に足していく
    for (int i = 1; i <= n; i++) {
        sum = sum + i;  // sum に i を足す
    }

    // 結果を表示
    printf("1 から %d までの合計は %d です。\n", n, sum);

    return 0;
}
実行結果
1 から 10 までの合計は 55 です。

基本情報では、このような「ループで繰り返し足していく処理」を、文章や疑似コードで理解できるかどうかが問われます。

最初は難しく見えますが、少しずつパターンを覚えていくことで必ず慣れていきます。

MOSなどパソコン系資格の難易度

MOSとは何か

MOS(Microsoft Office Specialist)は、WordやExcelなどOffice製品の操作スキルを証明する資格です。

日常的なパソコン操作能力を示せるため、事務職や一般職を志望する人にも人気があります。

項目内容
対象ソフトWord、Excel、PowerPointなど
試験形式実際にソフトを操作して課題をこなす実技形式
想定学習時間日常的に使っている人で20〜40時間、初心者で50〜80時間程度

難易度とITエンジニアとの関係

MOSは、ITエンジニアというよりビジネスパーソン全般の基礎力としての意味合いが強いです。

そのため、プログラミングを目指す人にとっては「必須」ではありませんが、Excelなどが苦手な人にとっては仕事の幅を広げてくれる資格でもあります。

ITエンジニア志望の初心者であれば、「ITパスポート or 基本情報」+「必要に応じてMOS」というイメージで考えるとよいです。

プログラミング初心者にやさしい資格の選び方

「コードを書く」前に「何をやりたいか」を決める

プログラミングと一口に言っても、Webアプリ、スマホアプリ、ゲーム、業務システムなど多岐にわたります。

いきなり「どの資格が良いか」ではなく、ざっくりでよいので「どの方向に進みたいか」を考えておくと資格選びがスムーズです。

初心者が狙いやすいプログラミング系資格

プログラミングをこれから始める人にとって、比較的取り組みやすいのは次のような資格です。

  • Javaプログラミング入門レベルの認定資格
  • Python入門〜基礎レベルの認定資格
  • 一部のオンラインスクールが提供する独自認定(基礎コース修了認定など)

これらは「資格そのもの」より「学習カリキュラムがセットで用意されている」点が大きなメリットです。

自分で教材を選ぶのが不安な初心者にとって、「テキスト+演習+修了試験」が一体化したコースは学びやすい選択肢になります。

中級レベルIT資格

応用情報技術者の難易度と出題範囲

応用情報技術者とは

応用情報技術者(AP)は、基本情報の一段上の国家資格で、ITエンジニアとして中級レベルの知識と応用力が求められます。

出題範囲は基本情報と重なりますが、より深く、かつ実務を意識した内容になっています。

項目内容
試験形式CBT(多肢選択式+やや長めの問題文)
出題範囲基本情報範囲+システム戦略、経営戦略、セキュリティなどの応用
想定学習時間基本情報合格者で150〜250時間、ゼロからだと300時間以上

応用情報で求められる力

応用情報では、単なる知識暗記だけではなく、以下のような「考える力」が問われます。

  • あるシステム構成の問題点を読み取る
  • セキュリティインシデントへの対応策を選ぶ
  • 経営戦略とIT投資の関係を理解する

そのため、難易度としては「中級〜上級の入り口」といってよく、基本情報と比べて一気にレベルが上がる印象を持つ受験者も多いです。

JavaやPythonなど言語別資格の難易度

言語別資格の特徴

JavaやPythonなどの言語別資格は、実際にコードを書いて理解しているかを問うベンダー試験が中心です。

内容は資格ごとに異なりますが、一般的には次のような構造になっています。

言語初級レベルの資格イメージ中級以上の資格イメージ
Java基本文法、クラス、例外処理などWebアプリ開発、フレームワーク、設計
Python文法、リスト・辞書、関数などデータ分析、機械学習、Web開発など

難易度の目安

言語別資格は、実務経験があるかどうかで難易度がかなり変わります。

実務経験者にとって入門〜基礎レベルはさほど難しくありませんが、初心者がいきなり受験する場合は学習時間200〜300時間は見ておく必要があります。

資格対策だけに偏るのではなく、小さくてもよいので実際にアプリやスクリプトを作ってみることが、理解の近道になります。

データベース系資格(Oracleなど)の難易度

Oracle MasterなどのDB資格

データベース系資格の代表としてOracle Masterがあります。

レベルは大きく分けて入門〜中級(Silver相当)と、上級(Gold/Platinum)に分かれます。

レベル内容のイメージ難易度
Silver級SQL文、基本的なテーブル設計、ユーザ管理など中級
Gold級以上本格的な運用管理、パフォーマンスチューニングなど上級

SQLのイメージをつかむサンプル

データベース系資格の基礎はSQLです。

簡単な例を1つ見てみます。

SQL
-- 社員テーブルから、部署IDが10の社員の名前と給与を取り出すSQL
SELECT
    name,      -- 社員名
    salary     -- 給与
FROM
    employees  -- 社員テーブル
WHERE
    department_id = 10;  -- 部署IDが10の人だけに絞り込む条件
実行結果
NAME      SALARY
--------  ------
佐藤太郎   300000
山田花子   320000
...

データベース資格では、このようなSQL文を正しく書けることに加え、テーブル設計やインデックス、トランザクションの仕組みなど、実務で求められる知識が問われます。

ネットワーク系資格(CCNAなど)の難易度

CCNAとは

CCNAはCisco社が提供するネットワーク分野のベンダー資格で、ネットワークエンジニアの入門〜中級レベルとして世界的に知られています。

項目内容
試験内容ネットワーク基礎、IPアドレス、ルーティング、スイッチング、セキュリティ基礎など
想定学習時間ネットワーク未経験で200〜300時間程度

ネットワーク資格の難しさ

ネットワークの世界は、抽象的な概念(OSI参照モデル、プロトコルなど)が多く、初心者にはイメージしにくい部分があります。

そのため、図解が豊富な教材+実機やシミュレータでの演習が非常に重要になります。

プログラミング学習が進んだ人向け資格

ステップアップの考え方

ある程度プログラミングが書けるようになってきたら、次のようなステップで資格を検討するとよいです。

  1. 基本情報または応用情報でIT全体の理解を深める
  2. 自分の専門領域(例: Web開発、データ分析、インフラなど)に合わせてベンダー資格を選ぶ
  3. 将来的に高度情報処理やベンダー上位資格を目指す

最難関IT資格

情報処理安全確保支援士の難易度

資格の概要

情報処理安全確保支援士(通称登録セキスペ)は、サイバーセキュリティの国家資格で、難易度は非常に高い部類に入ります。

登録制の資格で、合格後も継続的な研修が必要です。

項目内容
試験内容セキュリティ技術、暗号、認証、ネットワーク、法令・規程、インシデント対応など
難易度高度情報処理試験の1つとして最難関クラス

難しさのポイント

この資格が難しい理由は、技術だけでなく法令・マネジメント・運用を横断的に理解する必要があるためです。

実務経験がある人でも広さと深さの両方に苦戦しやすく、合格までに数年かかるケースも珍しくありません。

ネットワークスペシャリストの難易度

ネットワーク特化の最難関級

ネットワークスペシャリスト試験(NW)は、ネットワーク分野に特化した高度情報処理試験です。

CCNAよりはるかに広く深い知識が求められ、設計・運用・障害対応など実践的な内容が出題されます。

難易度の実感

ネットワークスペシャリストは、現場のネットワークエンジニアでも「難しい」と感じるレベルであり、初心者がいきなり目指すのは現実的ではありません。

CCNAや応用情報で基礎を固め、実務経験を積んだうえで挑戦するのが一般的です。

データベーススペシャリストの難易度

データベース理論の集大成

データベーススペシャリスト(DB)は、データベースの設計・運用・パフォーマンスチューニングなどを扱う高度情報処理試験です。

SQLを少し書ける程度では太刀打ちできず、高度な理論と実務両方の理解が求められます。

難易度の特徴

DBスペシャリストは、数学的なセンス(正規化、集合論的な考え方)と、実務での勘所の両方が必要になります。

Oracle Master Silver〜Goldレベルの知識がある人でも、試験対策に専念しないと合格は難しいと言われるレベルです。

ベンダー上位資格(AWSなど)の難易度

AWS認定などクラウド上位資格

AWS認定には複数のレベルがありますが、Professionalレベルや一部のSpecialty(専門)資格は難易度が非常に高いことで知られています。

レベル難易度感
Foundational / Associateクラウドプラクティショナー、SAA(Associate)中級
Professional / SpecialtySAP(Professional)、セキュリティSpecialtyなど上級〜最難関

実務経験と英語力

AWS上位資格は、実務経験と英語ドキュメントへの慣れがほぼ前提になります。

日本語試験はありますが、最新情報は英語で公開されることが多いため、ある程度の英語読解力がないとキャッチアップが難しくなっていきます。

最難関IT資格を目指す前に必要なスキル

「いきなり最難関」は現実的ではない

情報処理安全確保支援士やネットワークスペシャリスト、DBスペシャリスト、AWS Professionalなどの最難関資格は、初心者が最初のステップとして目指すには負荷が大きすぎます

必要な前提スキル

最難関資格に挑戦する前に、最低限次のようなスキルを身につけておくことが望ましいです。

  • IT全体の基礎知識(基本情報〜応用情報レベル)
  • 自分の専門分野(ネットワーク、DB、セキュリティ、クラウドなど)での実務経験またはそれに近い開発経験
  • 継続的に学習し続ける習慣

「資格を取ること」が目的ではなく、「資格学習を通じて実務に耐えうる力を身につける」という視点を持つことが、最難関資格を目指すうえで何よりも重要です。

まとめ

IT資格は数が多く、難易度もさまざまですが、大切なのは自分の現在地と目標をはっきりさせて、段階的にステップアップすることです。

初心者の方は、ITパスポートや基本情報、MOSや入門レベルのプログラミング資格から入り、自分に合った分野を見つけていくとよいでしょう。

そのうえで、応用情報やベンダー資格、中級〜最難関資格へと進んでいけば、無理なくスキルとキャリアを伸ばしていけます。

資格はゴールではなく、ITエンジニアとしての成長を支える道具だと考えて、賢く活用していきましょう。

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