プログラミングを始めたいと思ったとき、最初につまずきやすいのが「言語が多すぎて、どれを選べばいいのかわからない」という問題です。
実は、プログラミング言語にはそれぞれ得意分野や向いている用途があり、目的に合った言語を選ぶことで、学習効率やキャリアの選択肢が大きく変わります。
本記事では、プログラミング言語の基本から、目的別の選び方、そしておすすめランキングまでを一気に整理して解説します。
プログラミング言語とは何か
プログラミング言語の基本と役割
プログラミング言語とは、人間がコンピュータに「やってほしいこと」を正確に伝えるためのルールと記述方法の集合です。
普段私たちが話す日本語や英語のように、人間同士が意思疎通するための言語があるように、コンピュータと対話するためにも専用の言語が必要になります。
人間が書いたプログラムは、そのままではコンピュータには理解できません。
そこで、プログラムをコンピュータが解釈可能な機械語に変換するための仕組みとして、コンパイラやインタプリタなどが存在します。
プログラミング言語は、この変換プロセスを前提に設計されており、命令の書き方、データの扱い方、処理の流れの表現方法などが定められています。
プログラミング言語の主な役割は、以下の3つに集約できます。
1つ目は、コンピュータに処理手順を伝えること。
2つ目は、人間がコードを読み書きしやすくすること。
3つ目は、ソフトウェア開発の生産性や品質を高めるための仕組みを提供することです。
現代の言語ほど、人間にとって読みやすく、保守しやすい構造を重視して設計されています。
初心者が知っておきたい言語の種類
プログラミング言語と一口に言っても、目的や設計思想に応じてさまざまな種類があります。
初心者の方が最初に押さえておきたい分類として、次のような切り口があります。
- 用途別の分類(Web開発、モバイルアプリ、ゲーム、AI・データ分析、組み込み・IoTなど)
- 抽象度による分類(高水準言語と低水準言語)
- 実行方式による分類(コンパイル言語とスクリプト言語)
現代のプログラミング学習では、多くの場合「高水準言語」を学びます。
高水準言語とは、人間が理解しやすい形で書けるように設計された言語です。
Python、JavaScript、Java、C#などが代表例です。
一方、C言語やアセンブリ言語などは、ハードウェア寄りの処理を細かく制御できる反面、難易度が高くなりがちです。
また、1つの言語が複数分野で利用されることも増えています。
例えば、JavaScriptはWebフロントエンドだけでなく、サーバサイド、デスクトップアプリ開発にも使われるようになっており、PythonもWeb、AI、データ分析、自動化スクリプトなど幅広い用途で活躍します。
コンパイル言語とスクリプト言語の違い

コンパイル言語とスクリプト言語の違いは、「実行前に機械語へ変換するか」「実行しながら逐次解釈するか」という点にあります。
コンパイル言語(C, C++, Go, Rustなど)は、プログラムを実行する前にコンパイルという処理を行い、ソースコード全体をまとめて機械語に変換します。
一度コンパイルされた実行ファイルは、基本的にコンパイラが不要で、高速に動作します。
そのため、高性能が求められるゲームエンジンや組み込み機器、システムソフトウェアなどでよく使われます。
一方、スクリプト言語(Python, JavaScript, Ruby, PHPなど)は、ソースコードをインタプリタが1行ずつ解釈しながら実行します。
事前のコンパイル手順が簡略化されているため、コードを書いてすぐ動かし、試行錯誤を繰り返す開発スタイルに向いています。
実行速度はコンパイル言語に比べて劣る場合がありますが、開発スピードと学習のしやすさでは大きな利点があります。
なお、JavaやC#のように「中間言語にコンパイルしてから、仮想マシン上で実行する」ハイブリッド型も存在します。
この方式は、ある程度の高速性と移植性(どのOSでも動かしやすいこと)を両立しやすい設計です。
プログラミング言語の主な種類
Web開発向けプログラミング言語の種類

Web開発では、ブラウザ側とサーバ側で利用される技術が異なります。
フロントエンド(ブラウザ側)では、HTML・CSS・JavaScriptが事実上の標準言語です。
この中でもプログラミング言語と言えるのはJavaScriptであり、画面の動きやユーザー操作への反応、APIとの通信などを担当します。
最近では、JavaScriptを型安全に書くためのTypeScriptも広く普及しています。
サーバサイド(バックエンド)では、以下のような言語がよく利用されます。
- JavaScript(Node.js)
フロントとバックエンドを同じ言語で統一できる点が大きな強みです。リアルタイム通信やチャット、SPA(Single Page Application)のバックエンドなどで活躍します。 - PHP
WordPressをはじめとする多くのCMSがPHPで書かれており、Web制作会社や中小規模のWebサイト開発で今でも根強く利用されています。 - Ruby
Ruby on Railsというフレームワークとセットで使われることが多く、Webサービスの立ち上げやスタートアップで人気を集めてきました。 - Python
DjangoやFastAPIなどのフレームワークを用いて、APIサーバやWebアプリケーションを構築できます。AI・データ分析との相性が良いこともあり、近年利用が増えています。 - Java / C# / Go など
大規模システムや高トラフィックなサービスでは、Java(Spring)やC#(ASP.NET)、Goなども多く利用されます。性能や保守性を重視する企業で選ばれやすい傾向があります。
アプリ開発向けプログラミング言語の種類
スマートフォンアプリやデスクトップアプリの開発でも、用途によって選ばれる言語が異なります。
モバイルアプリ開発では、特にiOSとAndroidそれぞれに公式の推奨言語が存在します。
- Swift
Appleが推奨するiOS/macOS向けのモダンな言語です。Xcodeと組み合わせてiPhoneアプリを開発するのが一般的です。安全性や表現力が高く、Apple製品に特化した開発に向いています。 - Kotlin
Android向けの推奨言語としてGoogleが採用している言語です。従来のJavaよりも簡潔で、安全なコードを書きやすい設計になっており、Androidアプリの新規開発の多くがKotlinへ移行しています。 - Java
Androidアプリ開発で長年使われてきた言語であり、既存の大規模アプリや企業システムに広く浸透しています。Kotlinと併用されるケースも多く、エコシステムと情報量の豊富さが強みです。 - Flutter(Dart)
1つのコードベースからiOSとAndroid両方のアプリを作成できるクロスプラットフォーム技術です。使用する言語はDartで、UI構築のしやすさや開発効率の高さから注目を集めています。 - React Native(JavaScript/TypeScript)
JavaScriptやTypeScriptでモバイルアプリを開発できるフレームワークです。Webエンジニアがモバイルアプリ開発へ自然に橋渡ししやすい点が魅力です。
デスクトップアプリでは、C#(WPF, WinForms, .NET MAUI)、Electron(JavaScript/TypeScript)、JavaFX(Java)などがよく使われます。
モバイルかデスクトップか、ネイティブアプリかクロスプラットフォームかによって、適した言語が変わる点を押さえておくと良いでしょう。
ゲーム開発向けプログラミング言語の種類

ゲーム開発の現場では、「どの言語か」よりも「どのゲームエンジンを使うか」が重要なことが多く、その結果として使用言語が決まるケースが一般的です。
代表的な組み合わせとしては、次のようなものがあります。
- Unity × C#
インディーゲームからモバイルゲーム、大規模タイトルまで幅広く使われているゲームエンジンです。スクリプト言語としてC#を使用します。Unityを学ぶことが、そのままC#の実践的な学習にもつながります。 - Unreal Engine × C++ / Blueprint
高品質な3Dゲームで多用されるエンジンです。基本となる言語はC++ですが、ノードベースでビジュアルにロジックを組めるBlueprintも用意されており、プログラミング初心者でもとっつきやすいよう配慮されています。 - Godot Engine × GDScript / C# / C++
オープンソースの軽量なゲームエンジンで、独自言語GDScriptやC#などを利用できます。小規模な2Dゲームなどを手軽に作りたい場合に向いています。 - ブラウザゲーム × JavaScript / TypeScript
Webブラウザ上で動くゲームでは、JavaScriptやTypeScriptでゲームロジックを実装するケースが一般的です。ゲームライブラリやWebGLを活用して2D・3D表現を行います。
さらに、ゲームエンジン自体の開発や、描画エンジン・物理エンジンなどの低レベル層では、C++やRustのようなコンパイル言語がよく利用されます。
「ゲームを遊ぶ側」から「作る側」へ一歩踏み出すには、まずUnity×C#のような実績ある組み合わせから始めるのが現実的です。
AI・データ分析向けプログラミング言語の種類
AIや機械学習、データ分析の分野では、Pythonが圧倒的な事実上の標準言語になっています。
理由としては、機械学習ライブラリ(TensorFlow, PyTorch, scikit-learnなど)やデータ分析ライブラリ(pandas, NumPy, Matplotlibなど)が非常に充実しており、難しい数式処理や行列計算を少ないコードで記述できる点が挙げられます。
他にも、次のような言語が利用されています。
- R
統計解析に特化した言語で、学術研究や統計学の分野で長く使われてきました。グラフ描画や統計モデリングのライブラリが豊富です。 - Julia
高速な数値計算を得意とする比較的新しい言語です。Pythonの書きやすさと、C言語並みの速度を両立することを目指して設計されており、高性能な科学技術計算や機械学習への応用が期待されています。 - Scala / Java
大規模な分散処理基盤(Sparkなど)と組み合わせたビッグデータ処理で利用されることがあります。企業システムとの連携や既存インフラを活かす文脈で選ばれやすい言語です。
とはいえ、学習の入り口としてはPython一択と言ってよいほど、エコシステムと学習情報の蓄積が豊富です。
Pythonを中心に習得しつつ、必要に応じてSQLやシェルスクリプトなどを組み合わせていく形が現場でもよく見られます。
組み込み・IoT向けプログラミング言語の種類
組み込み・IoT分野では、ハードウェアに近い層を制御する必要があるため、C言語やC++のような低レベル寄りの言語が今でも主流です。
マイコンやセンサー、デバイスドライバなどを制御するコードは、メモリやCPUリソースが限られた環境で動くため、効率的で予測可能な動作が求められます。
主な言語としては、次のようなものがあります。
- C
組み込みシステムの定番言語であり、多くのマイコン開発環境がCを前提に設計されています。OSカーネルやファームウェアなど、基盤となるソフトウェアもCで書かれていることが多いです。 - C++
Cの拡張としてオブジェクト指向や高レベルな抽象化機能を取り入れた言語です。リアルタイム性と複雑なロジックを両立する用途で用いられます。 - Rust
メモリ安全性を重視した新世代のシステムプログラミング言語です。C/C++の代替として注目されており、安全な組み込みシステム開発や高性能サーバ開発の分野で採用例が増えています。 - MicroPython / CircuitPython
Pythonを小型デバイス向けに軽量化した実装で、Raspberry Pi Picoや各種マイコンボード上で動作します。プロトタイピングや教育用途に適しており、IoT入門として扱いやすい選択肢です。
この分野はハードウェア知識も関わってくるため、最初の1言語として選ぶにはやや難易度が高い傾向があります。
興味がある場合は、Raspberry PiやArduinoのような学習用ボードを使い、MicroPythonや簡単なCコードから始めるとスムーズです。
目的別プログラミング言語の選び方
何を作りたいかでプログラミング言語を選ぶ方法

プログラミング言語は、「流行っているから」「聞いたことがあるから」で選ぶよりも、「自分が何を作りたいか」から逆算して選ぶ方が失敗しにくくなります。
例えば、次のような対応関係をイメージすると考えやすくなります。
- Webサイト制作(コーポレートサイト、ブログ、LPなど)
→ HTML / CSS / JavaScript / PHP など - Webアプリ(SaaS、SNS、会員制サイトなど)
→ JavaScript(TypeScript) / Python / Ruby / PHP / Java / Go など - スマホアプリ(iOS/Android)
→ Swift / Kotlin / Dart(Flutter) / Java / JavaScript(React Native) など - ゲーム開発
→ C#(Unity) / C++(Unreal) / JavaScript/TypeScript(ブラウザゲーム) など - AI・機械学習 / データ分析
→ Python / R / Julia など - 企業向け業務システム
→ Java / C# / Go / JavaScript(Node.js) など - 組み込み・IoT
→ C / C++ / Rust / MicroPython など
1つの分野に対して候補となる言語は複数ありますが、「学習情報の多さ」と「求人ニーズ」を考慮すると、さらに優先順位をつけることができます。
後述するランキングでは、この観点も踏まえておすすめを整理していきます。
学習難易度から見るおすすめプログラミング言語
プログラミング言語の学習難易度は、文法のシンプルさ、エラーの分かりやすさ、環境構築のしやすさなどによって変わります。
これから初めてプログラミングを学ぶ場合、学習曲線が緩やかな言語を選ぶことが挫折防止につながります。
一般的に、初心者にとって取り組みやすいと言われるのは次のような言語です。
- Python
文法がシンプルで、日本語の学習資料も豊富です。AIやデータ分析、Web開発、自動化など応用範囲が広く、入門から実務まで一貫して使えます。 - JavaScript
ブラウザさえあれば即座に動作を確認でき、環境構築のハードルが低いのが魅力です。Webとの親和性が高く、成果物を他人に見せやすいというモチベーション面でのメリットもあります。 - Ruby
「書いていて気持ち良い」ことを目指して設計された言語で、コードが比較的読みやすいのが特徴です。Webアプリ開発での学習に向いています。 - PHP
Webサーバにインストールしてすぐ試せる手軽さがあります。WordPressのテーマやプラグイン開発を通して学ぶこともできるため、Web制作寄りの学習に適しています。
反対に、C/C++やRust、低レベルなシステムプログラミング言語は、メモリ管理やポインタといった難しい概念が早い段階から登場します。
「最初の1言語」としては難易度が高く、挫折しやすいため、よほど強い動機がなければ2言語目以降に回すのがおすすめです。
将来性・求人ニーズで選ぶプログラミング言語

プログラミング言語を選ぶ際には、学びやすさだけでなく、「仕事に結びつきやすいか」「将来も使われ続けそうか」という視点も重要です。
ここでは、一般的な傾向として以下のように整理できます。
- Python
AI・機械学習、データ分析、Web開発、自動化など多方面で需要が増加しており、今後も高いニーズが続くと見られています。 - JavaScript / TypeScript
Webフロントエンドの事実上の標準であり、バックエンドやデスクトップ・モバイルアプリにも進出しています。TypeScriptの普及により、大規模開発での利用がさらに広がっています。 - Java
企業向けシステムやAndroidの既存資産など、レガシーから最新システムまで広い守備範囲を持っています。大規模システムの中核言語として、今後も一定の需要が続くと考えられます。 - C#
Windowsアプリ、業務システム、クラウド(Azure)、ゲーム(Unity)など幅広く利用されており、マイクロソフトの積極的な開発・サポートもあって将来性があります。 - Go
高性能なWebサーバやマイクロサービスで採用が増えており、スタートアップやクラウドネイティブな環境との相性が良い言語です。 - Rust
システムプログラミング領域で急速に注目を集めている言語です。現時点では求人の絶対数は多くないものの、安全性が重視される分野での採用が広がりつつあります。
PHPやRubyは、依然として既存システムの保守や中小規模のWeb開発で根強い需要がありますが、新規開発の比率では他言語に押されつつある側面もあります。
とはいえ、「数年で突然仕事がなくなる」といったレベルではなく、向こう10年単位でも十分に選択肢となる言語と考えてよいでしょう。
独学しやすいプログラミング言語の条件
独学で学び始める場合、言語そのものの特性だけでなく、学習環境やコミュニティも大きな影響を与えます。
独学しやすいプログラミング言語には、いくつか共通する条件があります。
- 日本語の情報や入門書が豊富であること
エラーの解決や実装例を調べる際、日本語の記事やQ&Aが見つかりやすい言語は独学向きです。 - 環境構築が比較的簡単であること
インストールや初期設定に苦戦すると、肝心のプログラミングにたどり着く前に疲れてしまいます。ブラウザだけで動くJavaScriptや、IDE付きのPython配布(Anacondaなど)はこの点で有利です。 - 小さな成果物をすぐに作れること
「動いた」「便利になった」「誰かに見せられる」といった成功体験を得やすい言語は、モチベーションを維持しやすくなります。Webページのちょっとした動きや、日常作業の自動化スクリプトなどは良い例です。 - オンライン教材や学習プラットフォームの対応が充実していること
ブラウザ上のインタラクティブ教材や動画コースなど、学びやすいコンテンツが揃っている言語は独学者の強い味方です。
これらの条件を満たしやすいのが、Python、JavaScript、Ruby、PHP、Javaなどです。
逆に言うと、「情報が少ないマイナー言語から独学を始める」のはかなりハードルが高いため、最初はメジャーな言語を選ぶのが無難です。
初心者が避けたいプログラミング言語の選び方
初心者がついやってしまいがちですが、避けた方がよい選び方もあります。
代表的なものを挙げると次の通りです。
1つ目は、「一番難しいと言われている言語から始めた方が実力がつく」という考え方です。
確かに、C/C++やアセンブリから入ることで得られる知識もありますが、多くの場合は途中で挫折してしまい、結果的に遠回りになります。
基礎的な思考力や構造化の感覚は、高水準言語でも十分に身につきます。
2つ目は、「流行っているから、とりあえずそれだけを基準に選ぶ」ことです。
トレンドは数年単位で変化しますし、流行の中心は海外と日本でも微妙に異なります。
「自分の興味」「作りたいもの」「求人ニーズ」のバランスを踏まえたうえで、トレンドを参考情報として扱うのが現実的です。
3つ目は、「マイナーな言語の方が競合が少なくて有利かもしれない」と考えることです。
確かに競合は少ないかもしれませんが、それ以上に案件数そのものが少ない、学習情報が少ない、といったデメリットが目立つ場合が多いです。
初学者のうちはメジャー言語で基礎を固めてから、ニッチな分野に広げていく方が安全です。
「自分の目的とレベルに合っているか」「学習環境が整っているか」を優先し、背伸びしすぎない選択をすることが、長く続けるための秘訣です。
目的別おすすめプログラミング言語ランキング
ここからは、具体的な目的ごとにおすすめの言語をランキング形式で整理していきます。
順位はあくまで「学びやすさ」「求人ニーズ」「情報量」「将来性」などを総合的に見た一例ですが、言語選びの指針として活用していただけます。
Web制作におすすめのプログラミング言語ランキング
ここでの「Web制作」は、主にコーポレートサイトやブログ、ランディングページなど、比較的静的なWebサイトを想定しています。
1位から3位までを次のように整理できます。
- HTML / CSS / JavaScript
- PHP
- TypeScript
HTMLとCSSは厳密にはプログラミング言語ではありませんが、Web制作の基礎として必須であり、JavaScriptとセットで習得することになります。
ブラウザだけで結果を確認できるため学習コストが低く、ポートフォリオサイトや簡単なLPを自作しながら学べる点が魅力です。
PHPは、WordPressをはじめとするCMSで広く利用されているため、Web制作会社やフリーランス案件での実務に直結しやすい言語です。
テンプレート編集やフォームの実装、簡単なカスタマイズなど、実務で触れる機会も多い分野です。
TypeScriptは、JavaScriptに型という仕組みを追加した言語で、大規模なWebサイトやリッチなUIを持つサイトを構築する際に役立ちます。
最初からTypeScriptに挑戦してもよいですが、多くの場合はJavaScriptの基本を押さえたうえでステップアップする流れがスムーズです。
Webアプリ開発におすすめのプログラミング言語ランキング
Webアプリ開発では、ユーザー登録、ログイン、検索、データ管理など動的な機能を持つサービスを作ることが多くなります。
この分野でのおすすめランキングは以下の通りです。
- JavaScript / TypeScript (フロント+バックエンド)
- Python
- Ruby
JavaScript/TypeScriptは、ReactやVueなどのフロントエンドフレームワークと、Node.jsによるバックエンド開発の両方で使われます。
1つの言語でフロントからバックエンドまで一貫して扱えることは大きな武器であり、モダンなWebサービスの開発で重宝されます。
Pythonは、DjangoやFastAPIなどのフレームワークを用いて、APIサーバやWebアプリケーションを素早く開発できます。
AI・機械学習と組み合わせたWebサービスを作りたい場合、Pythonは最有力候補です。
Rubyは、Ruby on Railsによる「素早くWebサービスを立ち上げられる」点が大きな特徴です。
Railsチュートリアルのような教材も定番化しており、Webサービス開発を通じてプログラミングの一連の流れを学ぶには適した言語・フレームワークの組み合わせです。
スマホアプリにおすすめのプログラミング言語ランキング
スマホアプリ開発(iOS/Android)向けのおすすめランキングは次の通りです。
- Flutter(Dart)
- Swift
- Kotlin
Flutterは、1つのコードでiOSとAndroid両方のアプリを同時に開発できるクロスプラットフォーム技術です。
UI構築がしやすく、ホットリロードによる開発体験のよさから、個人開発からスタートアップまで人気が高まっています。
使用言語のDartは学習コストも比較的低めです。
Swiftは、iOSアプリをネイティブに開発したい場合の第一候補です。
Appleの公式ドキュメントやチュートリアルも充実しており、Xcodeと組み合わせることで、UI設計からストア公開まで一貫した環境が整っています。
Kotlinは、Androidアプリの公式推奨言語としてGoogleが位置づけており、新規のAndroidアプリ開発ではKotlinが標準になりつつあります。
Java互換性も高く、既存資産との共存も容易な点が企業利用でも評価されています。
React Native(JavaScript/TypeScript)やXamarin(C#)も有力な選択肢ですが、学習の入り口としてはFlutterがバランスの良い選択となるケースが多くなっています。
ゲーム開発におすすめのプログラミング言語ランキング
ゲーム開発を始めたい場合のおすすめランキングは、実際には「言語」より「エンジン」を軸に選ぶのが現実的です。
- C# (Unity)
- C++ (Unreal Engine)
- JavaScript / TypeScript (ブラウザゲーム)
Unityは、ゲーム開発入門の定番エンジンであり、2D/3D問わず幅広いジャンルのゲームを制作できます。
C#の文法は比較的わかりやすく、Unityのエディタ上で視覚的にオブジェクトを配置しながらロジックを組めるため、プログラミング初心者でも取り組みやすい環境です。
Unreal Engineは、フォトリアルな3D表現や大規模タイトルでの採用実績が豊富なエンジンです。
C++の学習コストは高めですが、Blueprintというビジュアルスクリプティングを併用できるため、最初はBlueprint中心でロジックを理解し、徐々にC++へ進むというステップもとれます。
ブラウザゲームを作りたい場合は、JavaScriptやTypeScriptが第一候補になります。
小規模なミニゲームであれば、HTML5 Canvasやゲームライブラリ(Phaserなど)を使って短期間で制作可能です。
Webの知識を活かしつつゲームにチャレンジしたい方に向いています。
AI・機械学習におすすめのプログラミング言語ランキング
AI・機械学習の分野では、他言語を寄せ付けないほどPythonが優勢です。
- Python
- R
- Julia
Pythonは、ライブラリ・フレームワーク・学習教材のすべてが圧倒的に充実しているため、AI入門から実務レベルまでカバーできます。
Google Colabなどのクラウド環境を使えば、ローカル環境を整えなくてもブラウザ上で学習を進められる点も大きなメリットです。
Rは統計解析や可視化に強く、研究・学術分野での利用が目立ちます。
ビジネスでのデータ分析やダッシュボード作成にも利用されますが、エコシステム全体の広がりではPythonに一歩譲る形になっています。
Juliaは、高速な数値計算が必要な応用領域で期待されている新興の言語ですが、現時点では求人ニーズや教材の量は限定的です。
まずはPythonで基礎を固め、そのうえでJuliaを2言語目として触れるという順番が現実的です。
副業・フリーランスにおすすめのプログラミング言語ランキング

副業やフリーランスとして案件を獲得したい場合、「個人でも受注しやすいか」「案件プラットフォームで需要があるか」が重要です。
その観点からのおすすめランキングは次の通りです。
- HTML / CSS / JavaScript / PHP(Web制作・WordPress)
- JavaScript / TypeScript(Webアプリ、フロントエンド)
- Python(業務自動化・データ分析)
HTML/CSS/JavaScriptとPHPの組み合わせは、Webサイト制作やWordPressカスタマイズ案件で非常にニーズが高い分野です。
クラウドソーシングサイトでも案件数が多く、比較的小規模な案件から挑戦できるため、副業の入り口として現実的です。
JavaScript/TypeScriptは、フロントエンド開発やSPA、React/Vueなどのフレームワークを使った案件で力を発揮します。
単価も比較的高く、スキルが身につけばリモートワークや長期契約案件につながりやすい領域です。
Pythonは、データ入力や集計の自動化、スクレイピング、社内ツールの作成など、業務効率化系の案件で利用されます。
また、データ分析や機械学習モデル作成に関連した案件もありますが、こちらはある程度の専門性が求められるため、実務レベルのスキルが身についてからのチャレンジになります。
副業・フリーランスを目指す場合でも、いきなり高単価なAI案件やブロックチェーン案件だけを狙うのではなく、実力に見合った案件からステップアップしていくことが結果的に最短ルートになります。
まとめ
プログラミング言語は数多く存在しますが、最初の1言語を選ぶうえで大切なのは、「何を作りたいか」「どのような働き方をしたいか」を起点に考えることです。
そのうえで、学習難易度、求人ニーズ、将来性、独学のしやすさなどを総合的に見て、自分に合った言語を選ぶと、挫折しにくく、実務にもつながりやすくなります。
Web制作であればHTML/CSS/JavaScriptとPHP、WebアプリならJavaScript/TypeScriptやPython、スマホアプリならFlutter(Dart)やSwift/Kotlin、ゲームならUnity(C#)、AI・機械学習ならPython、副業やフリーランスならWeb制作系やフロントエンドが有力候補になります。
どの言語を選んだとしても、1つの言語で基礎をしっかり身につければ、2つ目以降の言語習得は格段に楽になります。
言語選びに悩みすぎてスタートが遅れるくらいなら、「自分の目的に一番近い」1言語を選び、とにかく小さく手を動かしてみることが何より重要です。
本記事を参考に、自分の目標や興味に合った言語を選び、プログラミングの世界への一歩を踏み出してみてください。
