メンタリングサービスへの関心が高まっています。
キャリアの多様化やスキルの高度化に伴い、「社内の上司には相談しにくい」「独学では限界がある」と感じる個人や、「社員の定着率を上げたい」「女性管理職を育成したい」と考える法人が増えているためです。
しかし、いざサービスを探そうとすると、プログラミング指導に特化したものから、経営相談、キャリアコーチングまで種類が多岐にわたり、「どれが自分(自社)に合っているのかわからない」と迷ってしまうことも少なくありません。
この記事では、メンタリングサービスの選び方や料金相場を詳しく解説するとともに、個人・法人別のおすすめサービス13選を比較・紹介します。
あなたに最適なメンターを見つけるための決定版ガイドとしてご活用ください。
メンタリングサービスとは?コーチング・ティーチングとの違い
メンタリングサービスとは、豊富な経験や知識を持つ「メンター」が、対話を通じて「メンティー(相談者)」の成長や課題解決を支援するサービスのことです。
従来の企業内メンター制度(先輩社員が新入社員をサポートする仕組み)とは異なり、現在は社外のプロフェッショナルや特定のスキルを持つ個人とマッチングできる「社外メンターサービス」や「メンターマッチングサイト」が主流になりつつあります。
メンタリング・コーチング・ティーチングの違い
メンタリングとよく混同されるのが「コーチング」や「ティーチング」です。
これらは似ていますが、アプローチや目的に明確な違いがあります。

メンタリングの最大の特徴は、「人(メンター)」そのものが教材になる点です。
単なるスキル指導だけでなく、メンター自身の失敗談や成功体験、仕事への向き合い方そのものから学びを得ることができます。
メンタリングサービスを利用するメリット
個人が利用する場合と、法人が導入する場合それぞれのメリットを整理します。
個人が利用するメリット
- ロールモデルが見つかる: 社内に目標となる先輩がいなくても、理想のキャリアを歩む社外のメンターに出会えます。
- 客観的なアドバイス: 利害関係のない第三者だからこそ、社内の人間関係や評価を気にせず本音で相談できます。
- スキルの習得: エンジニアやデザイナーなど、実務経験豊富なプロから現場レベルのスキルを学べます。
法人が導入するメリット(社外メンター)
- 社員の定着率向上: 悩みや不安を解消する「斜めの関係」を作ることで、離職防止(リテンション)につながります。
- 管理職・リーダー育成: 特に女性管理職など、社内にロールモデルが少ない層への育成効果が高いです。
- 心理的安全性の確保: 上司には言えない悩みを受け止める場を作ることで、メンタルヘルス対策になります。
メンタリングサービスの選び方(個人・法人別)
数あるサービスの中から最適なものを選ぶためには、利用目的と予算を明確にすることが重要です。
【個人】目的で選ぶ
個人でメンターを探す場合、大きく分けて3つのタイプがあります。
- スキル習得型: プログラミング、デザイン、Webマーケティングなど、具体的な技術を学びたい場合。「MENTA」や「Tech Mentor」などが該当します。
- キャリア相談型: 転職、昇進、将来の不安など、キャリア全体の方向性を相談したい場合。「Biz Mentor」やキャリアコーチング系サービスが適しています。
- スポット相談型: 特定の課題について、ピンポイントで経験者に話を聞きたい場合。「ココナラ」や「TimeTicket」が便利です。
【法人】課題で選ぶ
法人の場合、解決したい組織課題によって選ぶべきサービスが異なります。
- ダイバーシティ推進: 女性リーダー育成や、若手のロールモデル不足を解消したいなら「Mentor For」や「Arch Career」。
- 1on1・定着支援: 上司の1on1スキル不足を補ったり、全社員のメンタルケアを行いたいなら「YeLL」や「人援隊」。
- 経営課題・新規事業: 経営層の壁打ち相手や、新規事業の専門知見が必要なら「Mentor Me」や「ビザスク」。
料金体系と契約形態を確認する
- サブスクリプション(月額制): 継続的に関わりたい場合。月額3,000円〜数万円が相場です。
- スポット(単発): 1回1時間などで相談する場合。3,000円〜数万円/回と幅広いです。
- プロジェクト型: 法人の場合、半年間の育成プログラムとして導入するケースが多く、数十万円〜/人となることが一般的です。
【個人向け】おすすめメンタリングサービス比較7選
まずは、個人がスキルアップやキャリア相談のために利用できるおすすめサービスを紹介します。
1. MENTA (メンタ)
エンジニア・クリエイター特化のNo.1メンタープラットフォーム
MENTAは、教えたい人(メンター)と学びたい人(メンティー)をマッチングする日本最大級のスキルシェアサービスです。
特にプログラミングやWebデザイン、エンジニアのキャリア相談に強みを持っています。
- 特徴:
- 約5万人以上の登録者数を誇り、多様なメンターが見つかる。
- 「月額契約」でチャット質問し放題や、コードレビュー付きなどのプランが多い。
- 現役エンジニアが多く、独学で挫折しそうな時の強力なサポーターになる。
- 料金相場: 月額3,000円〜10,000円程度(メンターにより自由に設定)
- おすすめな人: 独学中のエンジニア志望者、副業スキルを身につけたい人。
2. ココナラ
「得意」を売り買いするスキルマーケットで気軽に相談
テレビCMでもおなじみのココナラは、制作代行だけでなく「相談・アドバイス」のカテゴリーも充実しています。
- 特徴:
- 「キャリア相談」「起業相談」「人生相談」など、細かいカテゴリから選べる。
- 1分100円〜の電話相談など、超短期のスポット利用がしやすい。
- レビュー機能が充実しており、事前にメンターの評判を確認できる。
- 料金相場: 電話相談 100円/分〜、テキスト相談 1,000円/回〜
- おすすめな人: 今すぐ誰かに話を聞いてほしい人、低価格で少しだけ相談したい人。
3. TimeTicket (タイムチケット)
個人の「時間」を30分単位で売買するサービス
「わたしの30分、売り出します」というキャッチコピーの通り、個人の空き時間を購入して相談できるサービスです。
- 特徴:
- ビジネス経験豊富な人から、ユニークな趣味を持つ人まで多種多様。
- ランチやオンラインで気軽に話せる雰囲気がある。
- プロフィール写真や実績が明確なメンターが多い。
- 料金相場: 30分 2,500円〜(人気メンターは数万円の場合も)
- おすすめな人: 特定の企業で働く人に話を聞きたい人、フリーランスの働き方を知りたい人。
4. Tech Mentor (テックメンター)
エンジニア転職・フリーランス独立に特化したメンタリング
プログラミングスクールとメンターサービスの中間に位置する、エンジニア特化型のサービスです。
- 特徴:
- 完全オーダーメイドのカリキュラムを作成してくれる。
- 専属の現役エンジニアメンターがつき、学習進捗管理からキャリア支援まで行う。
- 挫折率が高いプログラミング学習において、伴走者がいる安心感がある。
- 料金相場: 月額32,780円〜(プランによる)
- おすすめな人: 本気でエンジニア転職を目指す人、スクールの画一的なカリキュラムが合わない人。
5. Biz Mentor (ビズメンター)
管理職・リーダーのための社外メンターサービス
一般社団法人日本リレーショナルリーダーシップ協会が運営する、ビジネスリーダー向けのハイクラスなメンターサービスです。
- 特徴:
- メンターは全員、厳しい審査基準をクリアした「有資格者」や「実績豊富な実務家」。
- 管理職特有の悩み(部下の育成、上司との関係、組織運営)に強い。
- コーチングスキルを持ったメンターが多く、質の高いセッションが期待できる。
- 料金相場: 月額数万円〜(体験セッションあり)
- おすすめな人: 社内で孤独を感じている管理職、経営幹部候補、リーダーシップを磨きたい人。
6. Mentor Me (メンターミー)
起業家・新規事業担当者向けのマッチングプラットフォーム
Aoba-BBTグループ(ビジネス・ブレークスルー)の一員となり、経営や新規事業に特化したメンターと出会えるサービスです。
- 特徴:
- 登録メンターは起業経験者、CxO(最高責任者)経験者、投資家などハイレベル。
- 事業計画の壁打ち、資金調達の相談、マーケティング戦略など、具体的なビジネス課題に対応。
- スポット相談だけでなく、社外取締役や顧問としてのマッチングも可能。
- 料金相場: メンターにより異なる(スポット相談 1万円〜/時間 など)
- おすすめな人: 起業準備中の人、社内起業家、スタートアップ経営者。
7. POSIWILL CAREER (ポジウィルキャリア)
「どう生きたいか」から考えるキャリア版ライザップ
厳密にはメンターサービスというより「キャリアコーチング」ですが、転職エージェントとは異なり求人紹介を行わず、個人のキャリア形成に伴走する点がメンタリングに近いため紹介します。
- 特徴:
- 徹底的な自己分析サポートで「自分の軸」を見つける。
- トレーナー(メンター役)がマンツーマンで寄り添う。
- 転職だけでなく、副業や現職残留も含めたフラットなアドバイスが可能。
- 料金相場: 30万円〜(期間集中型のプログラム)
- おすすめな人: 将来に漠然とした不安がある人、自分の強みややりたいことが分からない人。
【法人向け】おすすめメンタリングサービス比較6選
続いて、企業が社員研修や福利厚生、組織開発の一環として導入するのに適した社外メンターサービスを紹介します。

8. Mentor For (メンターフォー)
女性リーダー育成に特化した社外メンターのパイオニア
社外メンターという概念を日本に広めた草分け的存在。
特に企業の「女性活躍推進」における課題解決に定評があります。
- 特徴:
- メンターは管理職経験や育児との両立経験を持つプロフェッショナル女性が中心。
- 厳しい選考とトレーニングを経た「公式メンター」のみを紹介。
- 組織のD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)推進とセットで支援。
- 導入効果: 女性社員の視座向上、管理職への意欲向上、ロールモデル不在の解消。
- 料金: 要問い合わせ(導入規模による)
9. Arch Career (アーチキャリア)
NPO法人が運営する「働く女性」のための応援プラットフォーム
「メンターmikke」というサービス名で、働く女性が社外のロールモデルと出会える場を提供しています。
- 特徴:
- NPO法人運営のため、比較的リーズナブルに導入しやすい。
- メンターは現役会社員が多く、リアルな現場目線のアドバイスが得られる。
- オンライン完結型で、全国どこからでも利用可能。
- 導入効果: 若手女性社員のキャリア自律、モチベーションアップ。
- 料金: 法人プランは要問い合わせ(個人利用のライトプランもあり)
10. YeLL (エール)
「聴く」のプロによる1on1で社員のエンゲージメントを向上
アドバイスをするメンターではなく、話を「聴く」ことに特化したサポーターとマッチングするユニークなサービスです。
- 特徴:
- 利害関係のない社外の人材が、ひたすら社員の話を聴くことで思考整理を促す。
- 上司には話しにくい本音を引き出し、組織課題を可視化する(個人は特定せずにレポート化)。
- 管理職自身の「聴く力」を向上させる効果も期待できる。
- 導入効果: 離職率の低下、エンゲージメント向上、心理的安全性の醸成。
- 料金: 月額制(対象人数による)
11. 人援隊 (じんえんたい)
若手社員の「定着」と「自律」を支援する社外メンター
特に新入社員や若手社員の離職防止(リテンション)に焦点を当てたサービスです。
- 特徴:
- ビジネス経験豊富なメンターが、新入社員の悩みや不安をケア。
- メンタルヘルス不調の予兆発見や、ビジネスマナーの指導も可能。
- 人事担当者の工数削減につながる。
- 導入効果: 新卒・若手の早期離職防止、リアリティショックの緩和。
- 料金: 要問い合わせ
12. ビザスク
1時間のスポットコンサルで専門家の知見を借りる
国内最大級のナレッジプラットフォーム。
通常は「スポットコンサル」として利用されますが、新規事業担当者のメンタリングや壁打ち相手としても活用されています。
- 特徴:
- 60万人以上の登録者データベースから、ニッチな業界の専門家を検索可能。
- 「インタビュー」形式で、経験に基づいたアドバイスを短時間で得られる。
- 「ビザスクpartner」などの伴走型サービスもあり。
- 導入効果: 新規事業の仮説検証スピードアップ、社内にない専門知識の補完。
- 料金: スポットコンサル 平均1.5万円〜3万円/時間
13. HiPro Biz (ハイプロビズ)
経営課題を解決するプロフェッショナル人材活用サービス
パーソルグループが運営する、経営顧問やプロ人材の紹介サービスです。
- 特徴:
- 上場企業の元役員や特定領域のスペシャリストなど、ハイクラスな人材が登録。
- 経営戦略、人事制度改革、DX推進など、経営レベルのメンタリングが可能。
- 実働型の支援も可能なため、単なる相談役にとどまらない。
- 導入効果: 経営スピードの加速、プロジェクトの成功率向上。
- 料金: 月額ごとのプロジェクト契約(要見積もり)
メンタリングサービスの料金相場
サービスの種類によって料金には大きな幅があります。
ここでは一般的な相場感をまとめます。
個人向けサービスの相場
| サービスタイプ | 料金相場(目安) | 備考 |
|---|---|---|
| CtoCプラットフォーム (MENTA, ココナラなど) | 月額 3,000円 〜 10,000円 または 1回 3,000円〜 | メンターの実績により価格差が大きい。 安価なプランはお試しに最適。 |
| 特化型メンタリング (Biz Mentorなど) | 月額 20,000円 〜 50,000円 | 有資格者やハイクラス層が担当するため、 品質が担保されている分、高単価。 |
| キャリアコーチング (ポジウィルなど) | 総額 30万円 〜 70万円 | 2〜3ヶ月の集中プログラム形式。 自己分析から徹底的に行う。 |
法人向けサービスの相場
法人向けは導入人数やカスタマイズ内容によって変動しますが、以下の指標が参考になります。
- 社外メンター導入(定額制): 月額 3万円 〜 10万円 / 人
- 社員1名につき月1〜2回のメンタリングを実施する場合の目安です。
- 研修・コンサルティングパッケージ: 50万円 〜 数百万円
- メンター制度の設計、社内メンター研修、効果測定レポートなどを含む場合。
- スポット利用: 2万円 〜 5万円 / 時間
- ビザスクなどの専門家インタビューを利用する場合。
メンタリングを成功させるためのポイント
良いメンターやサービスを見つけただけでは、必ずしも成果が出るとは限りません。
メンタリングの効果を最大化するために、以下の3つのポイントを必ず意識してください。
1. メンター任せにせず「主体性」を持つ
メンターは答えを教える先生ではなく、あくまで「支援者」です。
「何か教えてくれるだろう」という受け身の姿勢では、深い対話は生まれません。
「今月はこの課題について相談したい」「ここまでは自分で考えたが、ここから先がわからない」など、自分からアジェンダ(議題)を持ち込む姿勢が重要です。
2. 相性が合わない場合は変更する勇気を持つ
人間同士なので、どうしても「話しにくい」「価値観が合わない」という相性の問題は発生します。
多くのサービスではメンターの変更が可能です。
「せっかく担当してもらったから」と我慢せず、事務局に相談するか、別のメンターを探しましょう。
心理的安全性が確保されて初めて、質の高いメンタリングが可能になります。
3. 具体的なゴールと期間を設定する
「なんとなく良くなりたい」という曖昧な目的だと、雑談で終わってしまうリスクがあります。
- 「3ヶ月以内に転職活動の軸を決める」
- 「半年以内にチームの離職率を○%下げるための施策を実行する」
- 「1ヶ月でPHPの基礎をマスターする」 : このように、
期限付きの具体的なゴールを設定し、そこに向かってメンターと伴走する形をとるのが成功の秘訣です。
まとめ
メンタリングサービスは、キャリアやスキルの壁にぶつかった時、自分一人では見つけられない突破口を開いてくれる強力なツールです。
- スキルを磨きたい個人なら、MENTA や Tech Mentor。
- キャリアを見直したい個人なら、Biz Mentor や ポジウィルキャリア。
- 女性活躍や組織課題を解決したい法人なら、Mentor For や YeLL。
まずは、自分が「何を解決したいのか(スキルか、メンタルか、キャリアか)」を明確にし、無料体験やスポット利用から始めてみることをおすすめします。
良きメンターとの出会いは、あなたの人生やビジネスを大きく加速させるはずです。
