プログラミングスキルの習得は、キャリアアップや年収アップへの強力な武器となりますが、数十万円かかるスクールの受講費用がネックとなり、一歩を踏み出せない方は少なくありません。
しかし、国が推奨する「教育訓練給付制度」を正しく活用すれば、受講費用の最大80%(上限64万円)が支給されることをご存知でしょうか。
2024年10月の制度改正により、従来の給付内容に「賃金上昇要件」が加わり、支給額が大幅に拡充されました。
さらに、2026年現在も離職者向けの生活支援給付金が継続しており、学び直し(リスキリング)には追い風が吹いています。
本記事では、2026年最新の教育訓練給付金制度について、プログラミング学習で最大64万円を受給するための条件や仕組みを、どこよりも分かりやすく解説します。
複雑な申請手続きや、対象となるおすすめのスクール選びまで網羅していますので、ぜひ最後までご覧ください。
教育訓練給付制度とは?プログラミング学習で使える3つの種類
教育訓練給付制度とは、働く人の能力開発やキャリア形成を支援するために、厚生労働大臣が指定する講座を受講・修了した際、費用の一部が国から支給される制度です。
プログラミングスクールで利用できる給付金は大きく分けて3種類ありますが、目指すレベルや講座によって「戻ってくる金額」が劇的に変わります。
まずはその全体像を把握しましょう。
1. 専門実践教育訓練給付金(今回のメイン)
最も支給額が大きく、本気でエンジニア転職や高度なスキル習得を目指す人に向けた給付金です。
AI、データサイエンス、クラウド技術など、将来性の高い分野(第四次産業革命スキル習得講座など)が対象となっており、今回の記事で解説する「最大64万円」はこの区分に該当します。
2. 特定一般教育訓練給付金
速やかな再就職やキャリア形成を目指すための講座が対象です。
プログラミング分野では、基本的なITスキルやWebデザインの一部講座などが該当する場合があります。
支給率は最大50%です。
3. 一般教育訓練給付金
雇用の安定や就職促進を目的とした、比較的ライトな講座が対象です。
検定試験対策や入門レベルのプログラミング講座が多く、支給率は20%(上限10万円)に留まります。

【2026年最新】最大64万円(80%)支給の仕組みと計算方法
「最大64万円」という数字は、2024年10月の法改正によって専門実践教育訓練給付金の内容が拡充された結果です。
これまで最大70%だった支給率が、条件を満たすことで最大80%まで引き上げられました。
ここでは、給付金がどのような段階を経て支給されるのか、その内訳を詳細に解説します。
支給は「3段階」で行われる
専門実践教育訓練給付金は、一度に全額もらえるわけではありません。
以下の3つのステップで段階的に支給されます。
ステップ1:受講中の支給(50%)
講座の受講中(6ヶ月ごと)に、受講費用の50%が支給されます。
これがベースとなる給付です。
年間上限は40万円です。
ステップ2:修了・資格取得・就職後の追加支給(20%)
講座を修了し、定められた目標(資格取得など)を達成した上で、修了後1年以内に一般被保険者として雇用された(就職・転職した)場合に、さらに20%が追加支給されます。
ここまでで合計70%となり、従来の制度の上限でした。
ステップ3:【新設】賃金上昇による追加支給(10%)
ここが2026年現在の重要なポイントです。
ステップ2の条件を満たした上で、訓練修了後の賃金が受講開始前の賃金と比較して5%以上上昇している場合、さらに10%が上乗せされます。
これにより、合計で受講費用の80%が支給されることになります。

具体的な受給額シミュレーション
プログラミングスクールの受講料は高額ですが、この制度を使えば実質負担額は驚くほど軽くなります。
受講料が80万円(税込)のスクールに通う場合をシミュレーションしてみましょう。
| 項目 | 計算式 | 支給額 | 自己負担額(実質) |
|---|---|---|---|
| ①受講中 | 80万円 × 50% | 40万円 | 40万円 |
| ②就職後 | 80万円 × 20% | 16万円 | 24万円 |
| ③賃金上昇後 | 80万円 × 10% | 8万円 | 16万円 |
| 合計 | 最大80%支給 | 64万円 | 16万円 |
このように、本来80万円かかる高額なスクールも、条件をフルクリアすれば実質16万円で受講できる計算になります。
年間上限額の64万円は、80万円の講座を受講した際に最大限適用される金額です。
もし受講料が100万円の場合でも、支給額は64万円(上限)となり、80万円(80%)にはならない点に注意してください。
あなたは対象?教育訓練給付金の受給条件チェック
どれほど魅力的な制度でも、受給資格がなければ利用できません。
特に確認が必要なのは「雇用保険の加入期間」です。
以下の条件をチェックしてみましょう。
1. 雇用保険の被保険者期間
教育訓練給付金を受けるには、会社に勤めていて「雇用保険」に加入していた期間が必要です。
- 初めて制度を利用する場合
受講開始日までの雇用保険加入期間が通算2年以上あること。
- 過去に制度を利用したことがある場合
前回の受講開始日から通算3年以上経過していること。
※注意点 転職などで空白期間がある場合でも、離職期間が1年以内であれば、前職と現職の加入期間を合算(通算)できます。
2. 在職中か離職中か
この制度は、在職中の方も、離職中の方も利用可能です。
- 在職中の方: 雇用保険に加入している状態で申請します。
- 離職中の方: 離職日の翌日から受講開始日までが1年以内である必要があります。(妊娠・出産・病気などで延長措置を受けた場合は最大20年以内)
3. 年齢制限
専門実践教育訓練給付金の場合、原則として年齢制限はありませんが、後述する「教育訓練支援給付金(生活費の支援)」を併用する場合は45歳未満という制限があります。

離職者はさらにチャンス?「教育訓練支援給付金」とは
仕事を辞めてプログラミング学習に専念したいと考えている方には、もう一つ強力な支援制度があります。
それが「教育訓練支援給付金」です。
これは、専門実践教育訓練(プログラミングスクール等)を受講している期間中、失業保険(基本手当)がもらえない場合に、代わりとして支給される生活費のようなものです。
2027年3月まで延長決定!
この制度はもともと「時限措置」でしたが、2026年現在、2027年(令和9年)3月31日まで延長されています。
支給額と条件
- 支給額
雇用保険の基本手当日額の60%相当額(2025年4月以降受講開始の場合)。
注意以前は80%でしたが、制度改正により引き下げられています。
それでも収入ゼロになるリスクを防げるのは大きなメリットです。
- 対象者
専門実践教育訓練を受講する方、受講開始時に45歳未満であること、離職しており、雇用保険の基本手当の受給資格があること(または受給終了していること)。
この支援給付金は、受講料の補助(最大64万円)とは「別枠」で支給されます。
つまり、受講料は80%戻ってくる上に、毎月の生活費のサポートも受けられるため、金銭的な不安を最小限にして学習に集中できるのです。
対象となるプログラミングスクールの見つけ方
教育訓練給付金の対象となる講座は、国が厳格な基準で認定した講座に限られます。
適当なスクールを選んでも給付金は出ませんので、必ず事前に確認が必要です。
「第四次産業革命スキル習得講座」を探す
経済産業大臣が認定する「第四次産業革命スキル習得講座(通称:Reスキル講座)」は、専門実践教育訓練給付金の対象講座として厚生労働大臣の指定を受けています。
AI、クラウド、データサイエンス、セキュリティなど、高度なITスキルを学べる講座がこれに該当します。
厚生労働省の検索システムを利用する
最も確実な方法は、厚生労働省が運営する公式検索システムを利用することです。
「教育訓練給付制度 検索システム」にアクセスします。
メニューの「講座を探す」から「詳細検索」を選択します。
検索条件設定画面にて、「専門実践教育訓練」のチェックボックスにチェックを入れます。
分野・資格コードで「情報関係」を選択するか、フリーワード入力欄にプログラミングやPythonなどのキーワードを入力して検索を実行します。
検索結果に出てきたスクールと講座名(コース名)が、給付金の対象です。
同じスクールでも、コースによって対象・非対象が分かれるため、コース名まで一致しているか必ず確認してください。
給付金対象のおすすめプログラミングスクール例
ここでは、専門実践教育訓練給付金の対象講座を持ち、実績が豊富なプログラミングスクールをいくつか紹介します。
(※2026年時点の情報を基にしていますが、最新の指定状況は必ず各スクール公式サイトまたはハローワークでご確認ください)
1. テックキャンプ(TECH CAMP)
- 特徴
未経験からプロのエンジニアを目指す短期集中型の超実践的スクール。
転職成功率が高く、挫折させないサポート体制が手厚いのが特徴です。
- 対象講座例
短期集中スタイルなど(エンジニア転職を目指すコース)
- メリット
受講料が高額ですが、給付金を活用することで大幅に費用を抑えられます。
2. DMM WEBCAMP
- 特徴
転職保証付きのコースなどが人気。
実務に近いカリキュラムで、Web開発の現場で使えるスキルを習得できます。
- 対象講座例
専門技術コースなど
- メリット
経済産業省のReスキル講座に認定されており、実績と信頼性が高いです。
3. インターネット・アカデミー
- 特徴
日本初のWeb専門スクール。
Webデザインからプログラミング、IoTまで幅広い講座があります。
- 対象講座例
IoTエンジニア育成コースAなど- メリット
教育訓練給付金の対象講座数が多く、自分に合ったコースを選びやすいです。
4. キカガク
- 特徴
AI・機械学習に特化したスクール。
Pythonやディープラーニングを深く学べます。- 対象講座例
AI人材育成長期コース
- メリット
成長産業であるAI分野のスキルを、国の支援を受けて安く学べるためコスパが非常に高いです。
受給までの流れと申請ステップ【重要】
専門実践教育訓練給付金は、「後から申請すればもらえる」ものではありません。
受講開始前にハローワークでの手続きが必須です。
ここを間違えると1円ももらえなくなるため、以下のステップを確実に踏んでください。
STEP 1:訓練前キャリアコンサルティング(受講開始1ヶ月前まで)
ハローワークで「訓練前キャリアコンサルティング」の予約を取り、キャリアコンサルタントと面談を行います。
そこで「ジョブ・カード」を作成し、受講する目的や今後のキャリアプランを明確にします。
※この手続きは、受講開始日の1ヶ月前までに完了させる必要があります。
STEP 2:受給資格確認の申請
ハローワークへ以下の書類を提出し、受給資格の認定を受けます。
- ジョブ・カード
- 受給資格確認票
- 本人確認書類、マイナンバー確認書類など
STEP 3:スクールの申し込み・受講開始
ハローワークの手続き完了後、スクールに申し込みを行い、受講を開始します。
一旦、受講料の全額をスクールに支払う必要があります(ローン可の場合もあり)。
STEP 4:受講中の支給申請(6ヶ月ごと)
受講期間が長い場合、6ヶ月ごとにハローワークへ申請を行い、受講料の50%分の還付を受けます。
スクールから発行される「受講証明書」や「領収書」が必要です。
STEP 5:修了・資格取得・就職後の追加申請
講座を無事修了し、資格取得や就職(被保険者としての雇用)が決まったら、追加給付(20%)の申請を行います。
さらに、賃金が5%以上上昇していることが証明できれば、新設された追加給付(10%)も申請します。

よくある質問
- 公務員や自営業(フリーランス)は対象になりますか?
原則として、雇用保険に加入していない公務員や自営業者は対象外です。
ただし、自営業の方でも、過去に会社員として雇用保険に加入しており、離職から1年以内であれば対象になる可能性があります。
- 途中で挫折したり、就職できなかった場合はどうなりますか?
途中で退会した場合や、修了要件(出席率や課題提出など)を満たせなかった場合、給付金は支給されません。
また、受講中の50%をもらった後に退会した場合、返還を求められることは通常ありませんが、その後の追加給付は受けられません。
就職できなかった場合は、追加の20%(および賃金要件の10%)がもらえないだけで、ベースの50%は返還不要です。
- 副業のための学習でも使えますか?
専門実践教育訓練給付金は「中長期的なキャリア形成」を目的としています。
副業目的であっても、キャリアコンサルティングでその必要性が認められれば受給可能です。
ただし、追加給付(20%)の要件である「雇用保険の被保険者として雇用される」を満たさない場合(個人事業主として副業するなど)、追加分はもらえません。
まとめ
2026年現在、プログラミング学習における教育訓練給付金制度は、過去最高レベルに手厚い内容となっています。
- 最大64万円(受講料の80%)が戻ってくるチャンス。
- 賃金が上がれば追加給付される「賃金上昇要件」が新設。
- 離職者には「教育訓練支援給付金」で生活費もサポート(2027年まで延長)。
プログラミングスクールは高額な投資ですが、この制度を使えば、リスクを最小限に抑えて「稼げるエンジニア」への転身を図ることができます。
重要なのは「受講開始の1ヶ月以上前にハローワークへ行くこと」です。
まずは、自分が対象かどうかを確認し、気になるスクールの無料カウンセリングに参加して「給付金対象コース」について詳しく聞いてみることから始めましょう。
国の支援を賢く使い倒し、理想のキャリアを手に入れてください。
