プログラミングの学習を始めたばかりの段階では、「何から作ればいいかわからない」「基礎文法は学んだけれど、実務レベルのコードを書くイメージがつかない」と悩む方が多くいます。
そうしたときに有効なのが、実在するWebサイトをそっくり真似して作る模写コーディングです。
本記事では、初心者におすすめの無料で利用できる模写コーディング練習サイト10選と、練習の進め方や注意点を詳しく解説します。
- 模写コーディングとは?メリットと目的を整理しよう
- 模写コーディング練習サイトを選ぶポイント
- 【初心者向け】無料の模写コーディング練習サイト10選
- 1. Frontend Mentor
- 2. Codewell
- 3. DevChallenges
- 4. CodePen (Popular Pensを模写)
- 5. CodeSandbox / StackBlitz + 公開LPの模写
- 6. Dribbble / Behanceのデザインカンプ模写
- 7. YouTubeの「模写コーディング」チュートリアル
- 8. Udemyなどの無料講座に付属するデザインカンプ
- 9. フロントエンド学習サービスの「演習ページ」模写
- 10. 自作デザイン + 自分で模写する「二段階アウトプット」
- 模写コーディングを最大限活かす練習の進め方
- 模写コーディングの注意点とよくある失敗
- 模写コーディングから「オリジナル制作」へ進むステップ
- まとめ
模写コーディングとは?メリットと目的を整理しよう
模写コーディングとは、既存のWebサイトやデザインカンプを参考にして、見た目や構成をできるだけ同じになるように自分でHTML/CSS/JavaScriptを書いて再現する練習方法のことです。
画像として用意されたデザインカンプの場合もあれば、実際の公開サイトをブラウザで開きながら、それを手本に自分でゼロから実装していく場合もあります。
模写コーディングで身に付く力
模写コーディングによって得られる主な効果は、次のようなものです。
1つ目は、レイアウト力の向上です。
デザインを再現するプロセスで、FlexboxやGrid、position、margin/paddingなどのプロパティをどのように組み合わせれば意図したレイアウトを作れるのかが、体感として理解できるようになります。
2つ目は、構造設計の理解です。
ヘッダー・メインコンテンツ・フッターといったページの骨組みをどのようなHTML構造で表現するのか、セマンティックなタグの選び方、class名の付け方など、コーディングの「設計」に踏み込んだ気づきが得られます。
3つ目は、実務をイメージしたワークフローの疑似体験です。
実際の現場では、デザイナーの作成したデザインをもとに、フロントエンドエンジニアが実装します。
模写コーディングは、この流れの簡易版とも言えるため、仕事のイメージをつかむのにも役立ちます。
コピペと何が違うのか
よくある誤解として、「既存サイトをブラウザの検証ツールでHTML/CSSをコピーすれば、すぐ再現できるのでは?」というものがあります。
しかし、模写コーディングの本質は、コードを自分で考えて書くことです。
検証ツールで構造を観察したり、レイアウトのヒントを得たりするのは有益ですが、そのままコピーしてしまうと、練習効果は大きく下がってしまいます。
模写コーディング練習サイトを選ぶポイント
無料で使える練習サイトは数多くありますが、初心者が効率よくスキルアップするためには、いくつかの観点から選ぶことが大切です。
レベル・題材・フィードバックの3要素
練習サイトを選ぶ際には、主に次の3つを意識するとよいでしょう。
1つ目は難易度の段階性です。
簡単な1カラムのランディングページから始まり、少しずつ複雑なレイアウトやアニメーションを含むものへ進めるサイトだと、挫折しにくく着実に上達できます。
2つ目は題材のバリエーションです。
ポートフォリオサイト、LP、ブログ風レイアウト、EC風ページなど、さまざまなタイプのデザインを模写できると、現場に近い幅広い経験を積めます。
3つ目はフィードバックや解説の有無です。
答えとなるサンプルコードや、ポイント解説、他人の提出物を見る機能があると、自分のコードとの違いから学びを深めることができます。
【初心者向け】無料の模写コーディング練習サイト10選
ここからは、初心者の方におすすめしたい、無料で利用できる模写コーディング向きのサービスやサイトを10個、厳選してご紹介します。
1. Frontend Mentor

Frontend Mentorは、世界中のフロントエンド学習者が利用しているデザインカンプ型のコーディング課題サイトです。
無料プランでも多数の課題が公開されており、画像としてのデザインカンプやスタイルガイド(色やフォントの指定)を基に、HTML/CSS/JavaScriptで実装していきます。
特徴とメリット
最大の特徴は、課題ごとに「難易度」が明確に設定されていることです。
初心者向けのシンプルなカードレイアウトから、上級者向けのマルチページサイトまで段階的に用意されているため、自分のレベルに合った課題を選びやすいのが魅力です。
また、他のユーザーの提出物を閲覧できる点も学習効果が高いポイントです。
同じデザインであっても、HTML構造やCSS設計は人によって異なります。
他者のコードを読むことで、自分では思いつかなかった書き方や、よりきれいな実装パターンを学ぶことができます。
模写コーディングとしての活用方法
Frontend Mentorは、本来はデザインカンプを元にした「実装チャレンジ」サイトですが、模写コーディングの題材集としても非常に優秀です。
まずはデザインカンプを表示し、それを見ながらローカル環境で1からコーディングします。
終わったあとに、他ユーザーのコードを確認し、クラス名やレイアウト方法を比較することで、実力を客観的に振り返ることができます。
2. Codewell

Codewellは、Figma形式のデザインカンプを提供してくれるフロントエンド練習プラットフォームです。
無料プランでも複数のチャレンジが利用でき、LPやカードレイアウトなど、実務でよく見るデザインを模写できます。
特徴とメリット
Codewellの強みはFigmaファイルをダウンロードして、より細かな余白やフォントサイズを確認できることです。
ブラウザ上の画像だけではわかりにくい細部まで、Figmaを使って正確に読み取ることができます。
これは、デザインカンプから実装する現場のワークフローに非常に近い体験です。
また、課題のページにはスクリーンショットのプレビューが複数掲載されているため、完成形のイメージがつかみやすく、「どこまで再現できれば合格か」が明確なのも嬉しい点です。
模写コーディングとしての活用方法
模写コーディングの観点では、Codewellの課題を選び、Figmaファイルを開きながら、ブラウザに表示される自分の実装と見比べて仕上げていく形が有効です。
ピクセル単位の再現に挑戦したい方には特におすすめできます。
3. DevChallenges

DevChallengesは、Web開発に関するさまざまなチャレンジを提供しているサービスで、レスポンシブ対応を含む模写コーディングに最適な課題が揃っているのが特徴です。
特徴とメリット
DevChallengesには、レスポンシブWebデザインを意識した課題が多く含まれています。
PC版だけでなく、タブレットやスマホでの見え方まで意識してコーディングすることで、現場で求められるスキルに近い経験ができます。
また、GitHub連携で成果物を提出でき、他のユーザーからフィードバックをもらえる仕組みもあります。
これにより、自分のコードへの客観的なコメントを得やすくなります。
模写コーディングとしての活用方法
レスポンシブを意識した模写練習をしたい場合は、PC・スマホそれぞれのデザインを横並びで表示し、ブラウザの幅を変えながら実装を調整すると効果的です。
CSSのブレイクポイントの考え方を体で覚えられるため、基礎を一通り終えたあとのステップアップに向いています。
4. CodePen (Popular Pensを模写)

CodePen自体は「模写コーディング専用サイト」ではありませんが、世界中の開発者が投稿したUIコンポーネントやミニサイトを、模写の題材として利用できるプラットフォームです。
特徴とメリット
CodePenのPopular PensやTrendingタブには、魅力的なアニメーション、ナビゲーションメニュー、カードレイアウトなど、実務にも応用しやすいUIが数多く並んでいます。
これらをそのまま参考にするのではなく、一度コードを隠して見た目だけを頼りに再現してから、答え合わせとして元コードを読むという使い方が有効です。
模写コーディングとしての活用方法
まずは、アニメーションの少ないシンプルなUIコンポーネントを選び、HTMLとCSSだけで再現してみます。
その後、元のコードを見て、自分よりもシンプルな書き方や、再利用しやすいクラス設計などがあれば取り入れていきましょう。
小さなパーツ単位の模写に最適な環境と言えます。
5. CodeSandbox / StackBlitz + 公開LPの模写

CodeSandboxやStackBlitzは、ブラウザ上で開発環境をすぐに立ち上げられるオンラインコードエディタです。
模写用の題材を自分で見つける前提になりますが、GitHub連携やデプロイ機能が充実しているため、アウトプット環境として非常に優秀です。
特徴とメリット
これらのサービスでは、テンプレートからReactやVueなどのフレームワーク環境もすぐに作成できますが、最初はプレーンなHTML/CSS/JavaScriptテンプレートから始めるのがおすすめです。
ローカルに開発環境を構築する手間がないため、「模写したいサイトを見つけたら、すぐにコーディングを開始できる」フットワークの軽さがあります。
模写コーディングとしての活用方法
実在する企業のLPやプロダクトサイト(著作権や利用規約に配慮しつつ、あくまで個人学習の範囲で)を選び、ブラウザの別タブで開きながら、CodeSandboxのプレビュー画面と並べて模写します。
URLを共有すれば、メンターや学習仲間にレビューしてもらいやすいのも大きなメリットです。
6. Dribbble / Behanceのデザインカンプ模写

DribbbleやBehanceは、デザイナーが自分の作品を公開するポートフォリオサイトです。
ここに掲載されているWebデザインのモックアップ画像を、模写コーディングの題材として利用することができます。
特徴とメリット
実際に公開されているWebサイトではなく、あくまでデザインとしてのLPやダッシュボードUIが多いため、「静止画からHTML構造を推測する練習」になります。
これは、フロントエンドエンジニアがデザインデータを受け取ったときに行う思考プロセスそのものです。
また、最新のデザイントレンドを取り入れた作品が多いため、モダンなUI/UXを意識した模写に取り組みたい方に向いています。
模写コーディングとしての活用方法
気に入った作品を見つけたら、まずは全体のセクションを大まかに分割し、「ヘッダー」「ヒーロー」「サービス紹介」「CTA」「フッター」などのブロックに頭の中で構造化します。
そのうえで、各セクションの中に含まれるカードやボタン、テキストの階層を考えながら、HTMLのアウトラインを組み立てていきます。
7. YouTubeの「模写コーディング」チュートリアル

YouTubeには、模写コーディングをライブで行う配信や、デザインカンプから完成までの一連の解説動画が多数アップロードされています。
これらを「無料のオンライン講座」として活用する方法も非常に有効です。
特徴とメリット
動画ならではのメリットは、実装者の思考プロセスを追体験できることです。
「なぜこのタグを選んだのか」「なぜここでFlexboxを使ったのか」など、コードだけを見ても分かりにくい理由付けを、口頭で説明してくれるケースも多くあります。
また、動画を一時停止しながら自分のペースで手を動かせるため、つまずいた箇所を何度でも見返せる点も学習しやすさにつながります。
模写コーディングとしての活用方法
おすすめの使い方は、最初は動画を見ずに自力で模写してみて、その後に動画の答え合わせをする方法です。
先に自分なりの解を持っておくことで、動画との違いがよりクリアになり、「ここはこうした方がシンプルだったのか」といった発見が増えます。
8. Udemyなどの無料講座に付属するデザインカンプ

Udemyのようなオンライン学習プラットフォームの中には、無料もしくはセール価格で提供されているHTML/CSS講座が多数あります。
こうした講座には、高確率でデザインカンプや完成コードが教材として付属しており、それらを模写の題材として再利用することができます。
特徴とメリット
講座の中では、講師がコーディング手順を解説してくれますが、同じデザインカンプを使って、あえて講座と違う書き方で実装してみると、より深い理解が得られます。
また、完成コードと比べることで、自分のコードの改善点を見つけやすくなります。
さらに、講座内のQ&A機能を活用すれば、つまずいたポイントを講師や他の受講生に質問できるため、独学での行き詰まりを解消しやすいのも利点です。
9. フロントエンド学習サービスの「演習ページ」模写

ドットインストールやProgateなど、フロントエンド学習サービスの中には、学習用の演習ページやミニサイトが数多く登場します。
これらは商用サイトほど複雑ではないものの、初心者向けに設計されたレイアウトであるため、模写コーディングの最初の一歩として非常に適しています。
特徴とメリット
学習サービス内のページは、ソースコードを見るとかなり作り込まれている場合もありますが、見た目だけを真似する分には難易度が高すぎないことが多いです。
すでにレッスンで見慣れたページ構成であれば、心理的なハードルも下がり、「あの演習ページを自分でゼロから再現してみよう」と取り組みやすくなります。
10. 自作デザイン + 自分で模写する「二段階アウトプット」

最後に少し応用的な方法として、自分で作ったデザインを、あえて「別人の作品」として模写コーディングするという練習も紹介しておきます。
特徴とメリット
まずは紙やFigmaで、シンプルなポートフォリオサイトやLPのデザインを自作します。
その段階では、実装方法はあまり意識せず、「こういうレイアウトがあったらいいな」という感覚で作って構いません。
その後、デザインを見ながら、実装者の視点でゼロからHTML/CSSを書くことで、「デザインと実装のギャップ」を自分の中で体験できます。
この方法は、デザイン寄りの思考とエンジニア寄りの思考の両方を鍛えられるため、将来Web制作全体を一人で担当したい方には特におすすめです。
模写コーディングを最大限活かす練習の進め方
ここまで紹介したサイトやサービスを、やみくもに使うだけでは効果が薄れてしまいます。
模写コーディングの効果を最大限に高めるための進め方を整理しておきましょう。
1. まずは「構造」から組み立てる
模写を始めると、つい色やフォントサイズといった見た目の細部から真似したくなりますが、最初に取り組むべきはHTMLの構造設計です。
大まかなセクションを決めて、見出しや段落、リスト、ボタンなどの要素を適切なタグで配置し、ページの骨組みを作ります。
2. 次に「レイアウト」を整える
構造ができたら、CSSでレイアウトを整えます。
ここではFlexboxやGridを優先的に活用し、floatやpositionに頼りすぎないよう意識すると、モダンな書き方が身に付きます。
幅・高さの指定よりも、marginやpadding、gapなどの余白設計に着目するとよいでしょう。
3. 最後に「装飾・アニメーション」を追加
土台ができてから、色やタイポグラフィ、ホバーアニメーションなどのディテールを加えていきます。
ここで初めて、完成形の見た目にどれだけ近づけられるかを意識します。
段階を踏んで仕上げていくことで、途中で行き詰まるリスクを減らせます。
模写コーディングの注意点とよくある失敗
模写コーディングは非常に効果的な練習ですが、やり方を間違えると「時間をかけたわりに身につかない」という状態になってしまうこともあります。
コードをそのままコピペしない
最大のNGは、検証ツールでHTML/CSSをそのままコピーすることです。
これは模写ではなく、単なる複製に過ぎません。
どうしてもレイアウトの仕組みが分からないときに、ポイントで参照するのは構いませんが、基本的には自分の頭で考えながら実装する姿勢が重要です。
完璧主義になりすぎない
もう一つの落とし穴は、1つの模写にこだわりすぎて、いつまでも終わらないことです。
ピクセル単位で完全一致させることはプロでも難しく、初心者の段階では現実的ではありません。
ある程度似せられたら、「次の題材に進む」ことも上達のためには大切です。
著作権と利用規約への配慮
実在の企業サイトを模写する場合は、あくまで個人の学習目的の範囲にとどめ、公開や商用利用は避けるようにしましょう。
ポートフォリオとして掲載する際も、「◯◯サイトを参考にした練習作品」であることを明記し、誤解を招かないよう配慮することが重要です。
模写コーディングから「オリジナル制作」へ進むステップ
模写コーディングは非常に有効な練習ですが、いつまでも模写だけを続けていると、「自分でゼロからデザイン・設計する力」が育ちにくいという側面もあります。
ある程度模写に慣れてきたら、オリジナル制作への橋渡しを意識していきましょう。
アレンジ模写から始める
完全なオリジナルにいきなり挑戦するのが難しい場合は、「8割模写 + 2割アレンジ」を目指すとよいでしょう。
例えば、セクション構成はそのままに、配色やフォント、ボタン形状、アイコンなどを自分なりに変更してみる方法です。
これにより、デザインの引き出しを増やしながら、自分の好みやスタイルを探ることができます。
コンポーネント単位で再利用する
模写を重ねていくと、カードレイアウトやナビゲーションバー、フッターなど、共通のパターンが繰り返し登場することに気づきます。
これらをコンポーネントとして整理し、自分用のパターン集としてストックしておくと、オリジナルサイト制作のときに大きな助けになります。
まとめ
模写コーディングは、プログラミング初心者が「知識」を「使えるスキル」に変えるための橋渡しとなる非常に強力な学習法です。
本記事で紹介したような、Frontend MentorやCodewell、DevChallengesといった模写に適した無料サイトを活用すれば、レベルに応じてさまざまなデザインを再現する経験を積むことができます。
重要なのは、コードを自分で考えて書くこと、構造 → レイアウト → 装飾という順番で組み立てること、そして1つの題材に固執しすぎず、数多くのパターンに触れることです。
ある程度模写に慣れてきたら、アレンジやオリジナル制作にも一歩踏み出すことで、実務に近い総合力が身についていきます。
無料で利用できる模写コーディング練習サイトを賢く組み合わせながら、ぜひ自分に合ったペースで継続してみてください。
継続するほど、コードの書き方だけでなく、「どう作るべきか」を自分で判断できる目が育っていきます。
