【2025年8月】Python独走 AIで伸びるプログラミング言語 人気ランキング

2025年8月のTIOBE指数では、Pythonが26.14%までスコアを伸ばし首位を盤石にしました。

AIコード支援との親和性が評価を押し上げ、Perlのトップ10復帰やAdaの急伸など周辺でも動きが見られます。

本稿ではトップ10の言語を丁寧にひも解き、AI時代の言語動向を読み解きます。

2025年8月 TIOBEランキング トップ10

Python(1位):AIコード支援で26.14%独走

スコアと前月比

Pythonは26.14%(前月比+8.10ポイント)と圧倒的な首位を維持しました。

TIOBE公式の推移でも突出した伸びが確認できます(1)。

背景と注目ポイント

TechRepublicは「AIコードアシスタントがPythonでより効果的に機能する」という調査・指摘を掲載しており(2)、生成AIの普及と学習素材の豊富さが検索需要を大きく押し上げたと見られます。

簡潔な文法とエコシステムの厚みが、教育・業務の双方で採択を加速させています。

代表的な利用領域

機械学習、データ分析、オートメーション、Webバックエンドなどで広範に採用が続き、MLOpsやデータ基盤構築の分野でも事実上の標準的選択肢になっています。

C++(2位):わずかに後退も堅調

スコアと前月比

C++は9.18%(前月比-0.86)で2位を堅守しました(1)。

背景と注目ポイント

高性能計算やゲームエンジン、金融の低レイテンシ領域など性能要求の厳しい現場で不可欠な地位を維持しています。

AIでは推論エンジンや数値最適化の中核実装にC++が使われるケースが多く、基盤技術としての存在感は不変です。

代表的な利用領域

リアルタイムシステム、HPC、組込み、ゲーム開発、グラフィックスなど。

C(3位):組込み中心に安定

スコアと前月比

Cは9.03%(前月比-0.15)で3位を維持しました(1)。

背景と注目ポイント

OSカーネルやマイコン開発など低レベル領域に広く浸透し、IoTデバイスや産業機器の堅実な需要に支えられています。

近年のAIブーム下でも、エッジ推論やデバイス制御で基盤言語としての重要性は変わっていません。

代表的な利用領域

組込み、システムプログラミング、ネットワーク機器、ドライバ開発。

Java(4位):微減も企業で強い

スコアと前月比

Javaは8.59%(前月比-0.58)と小幅に減少しましたが、依然として4位の上位を維持しています(1)。

背景と注目ポイント

大規模業務システムや金融・公共分野での信頼性、JVMエコシステムの豊富さは健在です。

一方で、AI実験や高速なプロトタイピングの初手としてPythonが選ばれる構図が、相対的な検索シェアの微減につながっています。

代表的な利用領域

企業バックエンド、マイクロサービス、バッチ処理、Androidサーバサイド連携など。

C#(5位):.NET進化も微減

スコアと前月比

C#は5.52%(前月比-0.87)で5位をキープしました(1)。

背景と注目ポイント

クロスプラットフォーム化した.NETでクラウドやデスクトップが広くカバーされ、Unity経由でゲーム開発の裾野も広いものの、全体の検索関心はわずかに後退。

成熟言語の中での静かな攻防が続いています。

代表的な利用領域

Web/クラウドバックエンド、デスクトップ、ゲーム開発(Unity)、業務アプリ。

JavaScript(6位):フロント定番が微減

スコアと前月比

JavaScriptは3.15%(前月比-0.76)となりました(1)。

背景と注目ポイント

フロントエンドでは依然として不可欠ですが、型安全志向の高まりに伴うTypeScriptへの関心シフトが検索数を分散させている可能性があります。

サーバレスやエッジ実行など選択肢が広がり、技術選定の多様化も影響しています。

代表的な利用領域

フロントエンド開発、Node.jsによるバックエンド、エッジ/サーバレス実行。

Visual Basic(7位):小幅増で現場に根強い

スコアと前月比

Visual Basicは2.33%(前月比+0.15)で7位に位置づけられています(1)。

背景と注目ポイント

既存の業務アプリやマクロ資産が一定量残り、保守・運用に向けた検索需要が堅調です。

レガシーからの段替えが進む一方、現場ニーズに即した改修が続き、底堅さを見せています。

代表的な利用領域

業務アプリの保守、VBAによる自動化、簡易ツール開発。

Go(8位):クラウド需要で着実増

スコアと前月比

Goは2.11%(前月比+0.08)と着実に伸長しました(1)。

背景と注目ポイント

並行処理の容易さとシンプルな言語仕様が、クラウドネイティブ開発やインフラツールで評価されています。

Kubernetes周辺のエコシステム需要が継続的な追い風になっています。

代表的な利用領域

クラウドバックエンド、マイクロサービス、CLI/運用ツール、ネットワークサービス。

Perl(9位):急伸でトップ10復帰

スコアと前月比

Perlは2.08%(前月比+1.17)と大幅上昇し、トップ10に復帰しました(1)。

背景と注目ポイント

テキスト処理や自動化の強みを活かした保守・移行案件の検索需要が再燃しています。

学習コストの低さから新規学習者や現場の迅速なスクリプト化ニーズを取り込みやすく、AI関連ニュースの波及やコード支援ツールの普及も後押しした可能性があります。

代表的な利用領域

ログ処理、ETL、運用自動化、迅速なプロトタイピング。

Delphi/Object Pascal(10位):小幅増で再評価

スコアと前月比

Delphi/Object Pascalは1.82%(前月比+0.19)で10位にランクインしました(1)。

背景と注目ポイント

RADによる高速UI開発やネイティブ実行の軽快さが、業務アプリや組織内ツールの刷新で再評価されています。

特定業界の継続利用が安定感を支えています。

代表的な利用領域

デスクトップ業務アプリ、組織内ツール、ネイティブUI開発。

なお、トップ10以外も含めた上位20言語の詳細なスコアと前月比は次の表のとおりです。

全体の地合いを把握するうえで参考になります。

順位言語シェア前月比
1Python26.14%+8.10%
2C++9.18%-0.86%
3C9.03%-0.15%
4Java8.59%-0.58%
5C#5.52%-0.87%
6JavaScript3.15%-0.76%
7Visual Basic2.33%+0.15%
8Go2.11%+0.08%
9Perl2.08%+1.17%
10Delphi/Object Pascal1.82%+0.19%
11Fortran1.75%−0.03%
12SQL1.72%−0.49%
13Ada1.52%+0.91%
14R1.37%+0.26%
15PHP1.27%−0.19%
16MATLAB1.19%−0.53%
17Scratch1.15%+0.06%
18Rust1.13%−0.15%
19Kotlin1.10%−0.04%
20Assembly language1.03%−0.19%

FortranやRなど科学技術計算系の堅調、SQLやMATLABの微減、RustやKotlinの一時的な揺り戻しなど、成熟領域と新興領域のせめぎ合いも見て取れます。

Adaは13位まで急伸し、検索キーワードのバイアス要因が話題になりました(3)。

総括:Python独走とAIトレンド

Python×AIが人気を牽引

AIコード支援ツールとの相性の良さが、Pythonの圧倒的な独走を支えています。

英語圏を中心に学習素材やサンプルコードが豊富で、コード補完や自動生成の精度が出やすいことが優位点です。

TechRepublicも「AI時代のデフォルト言語」とする見方を紹介しており(2)、PoCから運用までの一貫した開発サイクルを短縮できることが現場の選好に直結しています。

組織への示唆

  • AIを組み込む新規開発では、プロトタイピングの速さと人材確保の容易さからPythonが第一候補になりやすいです。
  • ただし、運用要件や性能要件によってはC++やGo、Javaとの適材適所な併用が有効です。言語間の役割分担を事前に設計しておくことで、スケールと保守性を両立できます。

Perl復調、Ada上昇/Java系は微減

Perlは+1.17ポイントの大幅増で9位に復帰しました。

レガシー資産の保守・移行やログ解析など現場課題の即応に強みがあり、AIコード支援の普及によって既存スクリプトの読み書きが容易になったことも追い風になった可能性があります(1)。

一方、Adaは13位に上昇し+0.91を記録しました。

これはNVIDIAのGPUアーキテクチャ名(Ada Lovelace)などに由来する検索バイアスが影響しているとの指摘がコミュニティから出ています(3)。

TIOBE指数は検索量を主成分とするため、実利用の伸びと必ずしも一致しない点には注意が必要です。

JavaやC#、JavaScriptは軒並み小幅な減少でした。

いずれも巨大なエコシステムと企業実装で確固たる地位を保っているものの、AI/データ分析での初動にPythonが選ばれやすいことや、JavaScript圏ではTypeScriptへの志向が強まっていることが相対シェアの押し下げ要因になっています。

補足:TIOBE指数の読み方

TIOBEは検索エンジンでのクエリ数などを用いて人気度を推定する指標です。

実務での採用規模やGitHubでの活動量と完全に一致するものではありません。

キーワードの曖昧性や大型ニュースの影響で短期的に変動することがあるため、中長期トレンドと併せて解釈することが肝要です。

まとめ

2025年8月のTIOBEランキングは、Pythonが26.14%まで伸びて首位独走を強め、AIコード支援との相乗効果が確固たる地位をもたらしたことを印象づけました。

Perlのトップ10復帰やAdaの急伸は、レガシー資産の再評価と検索起因の揺らぎという両輪を映し出しています。

Java、C#、JavaScriptは微減ながらも産業界の中核としての存在感は揺らいでいません。

技術選定では、AI活用の俊敏性をPythonで確保しつつ、性能や信頼性が求められる箇所でC系やGo、Javaを適材適所に組み合わせる戦略が現実的です。

検索指標の短期変動に一喜一憂せず、組織の要件と人材プールに即したバランスの良い言語ポートフォリオを築くことが、AI時代の開発生産性と継続的な価値創出につながります。

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