タブ切り替え型のファイル管理ソフト「As/R」が、バージョン20.0.0.0に到達しました。
今回の更新では、開発環境を「Visual Studio 2026」へ移行したほか、Shift JISで記述されていたソースコードをUnicodeへ変換するなど、長年使われてきたソフトの基盤に手が加えられています。
画面構成にも変更があり、複数の子ウィンドウを親ウィンドウ内に配置するMDIモードは、廃止に向けて関連コマンドがメニューから削除されました。
「As/R」v20.0は基盤を見直す節目の更新
「As/R」は、老舗ファイラー「まめFile」の後継として開発されたファイル管理ソフトです。
タブによる切り替えに対応し、軽快な動作と多機能さ、拡張性を備えていることから、標準のエクスプローラーだけでは物足りないユーザーにも利用されています。
「As/R」としての開発期間は14年以上に及び、今回のバージョン20.0では、目に見える機能追加だけでなく、開発や設定、ウィンドウ操作に関わる部分が更新されました。
Visual Studio 2026への移行とUnicode化
開発環境は「Visual Studio 2022」から「Visual Studio 2026」へ更新されました。
移行にあたっては、静的コード分析で提示された提案や警告のうち16,452件に対応したとされています。
また、C++の世代が2つ進んだことにより、ロジック自体を変更していない部分でも、動作が約3~4%軽快になったと作者は説明しています。
ただし、この数値は作者による説明であり、利用環境や処理内容によって体感できる差は異なる可能性があります。
新しい開発環境では、Shift JISのソースコードを開く際に文字コードの指定が必要となり、そのまま保存すると日本語部分が文字化けする問題がありました。
これを避けるため、約1,150ファイルに及ぶソースコードを「As/R」の機能でUnicodeへ変換したとのことです。
作者によれば変換は数秒で完了しており、ソースコードをまとめて扱う機能が開発作業にも活用されています。
MDI関連コマンドを整理、タブ中心の操作へ
MDIは、ひとつの親ウィンドウの中に複数の子ウィンドウを表示する方式です。
子ウィンドウを並べたり、タイル状に配置したりできる一方、近年はタブによる切り替えの方が扱いやすいとされ、採用例が少なくなっています。
今回の更新では、[ウィンドウを横に並べる]や[子ウィンドウの最大化]など、MDIに関係する9つのコマンドがメニューから削除されました。
この段階ではMDI機能そのものが直ちに削除されたわけではなく、内部には残されています。
作者は今後、時機を見て機能自体も削除する予定としており、今回の変更はその準備にあたります。
代わりに[タブ切替]と[全てのウィンドウを並べる]が追加されています。
ただし、従来のMDIのようにウィンドウを個別に細かく配置する使い方はできなくなるため、MDIを利用中のユーザーは操作方法や作業手順の見直しが必要です。
設定の持ち運びや多言語対応も改善
リストの初期フォルダー設定では、環境変数を展開できるようになりました。
オプション画面には[環境変数に置換]ボタンが追加され、フォルダーのパスを環境に依存しにくい形で設定しやすくなっています。
複数のパソコンで設定を共有する場合や、ユーザーごとに異なるフォルダーを指定したい場合に役立つ変更です。
このほか、英語環境で発生していた文字化けも改善されました。
実行ファイルとライブラリには自己認証の署名が付与されており、開発環境の更新とあわせて、ソフトの構成を整える内容となっています。
対応OSと利用時の確認点
「As/R」は、64bit版を含むWindows 10/11と、Windows Server 2016/2019/2022に対応するフリーソフトです。
更新後にMDI関連の操作が変わるため、該当するコマンドを日常的に使っている場合は、アップデート前後でウィンドウの扱いを確認するとよいでしょう。
設定の移行や文字コードの変更に関わる作業を行う場合は、念のため重要な設定ファイルやデータをバックアップしてから進めると安心です。
まとめ
「As/R」v20.0.0.0は、Visual Studio 2026への移行、ソースコードのUnicode化、設定機能や多言語対応の改善など、長期開発を支える基盤を見直す更新です。
MDIモードは廃止に向けて段階的に整理されており、利用者にはタブ切り替えを中心とした操作への移行が促されます。
特にMDIを使っているユーザーは、関連コマンドの変更と今後の廃止予定を確認したうえで更新を検討してください。
