プログラミング学習を始めようとした際、必ずと言っていいほど候補に挙がるのがProgate(プロゲート)とドットインストールです。
どちらも国内最大級のプログラミング学習サービスであり、多くのエンジニアが登竜門として利用してきました。
しかし、学習スタイルや難易度が大きく異なるため、「自分にはどちらが合っているのか」「どちらから始めるべきか」と悩む方も少なくありません。
本記事では、プロの視点から両者の特徴、料金、難易度、そして挫折しないための最適な学習順序を徹底的に比較・解説します。
これからエンジニアを目指す方や、教養としてプログラミングを学びたい方は、ぜひ参考にしてください。

Progateとドットインストールの基本概要
比較に入る前に、まずはそれぞれのサービスがどのようなコンセプトで運営されているのかを整理しておきましょう。
Progateとは:ゲーム感覚で基礎を固めるスライド学習
Progateは、「初心者から、創れる人へ」を掲げるオンラインプログラミング学習サービスです。
最大の特徴は、動画ではなくスライド形式で学習を進める点にあります。
自分のペースで読み進められるスライドを確認した後、ブラウザ上に用意されたエディタに直接コードを打ち込んで演習を行います。
正解するとレベルが上がる「レベルアップシステム」や、キャラクターによる解説など、ゲーム感覚で楽しく継続できる工夫が随所に凝らされています。
ドットインストールとは:3分動画で実践を学ぶ動画学習
ドットインストールは、「3分動画でマスターする」をコンセプトにした動画学習サイトです。
全てのレッスンが3分前後の短い動画で構成されており、通勤・通学中などの隙間時間でも効率的に学習を進めることができます。
Progateとの大きな違いは、「自分のPC上で開発環境を構築する」というプロセスが含まれる点です。
プロのエンジニアが実際に作業している画面を見ながら、エディタの設定やコマンド操作を学べるため、より実戦に近いスキルが身につきます。

【徹底比較】Progate vs ドットインストールの違い
両者の違いをより明確にするために、5つの項目で比較表を作成しました。
| 比較項目 | Progate | ドットインストール |
|---|---|---|
| 学習スタイル | スライド形式+ブラウザ演習 | 動画形式(約3分)+自己環境演習 |
| 難易度 | 初級(超初心者向け) | 初級~中級(実践的) |
| 環境構築 | 不要(ブラウザで完結) | 必要(自分のPCで構築) |
| コンテンツ量 | 主要言語・フレームワークに厳選 | 圧倒的に豊富(400レッスン以上) |
| 料金(有料版) | 月額 1,490円 (税込) | 月額 1,280円 (税込) |
1. 学習スタイルの違い
Progateは自分のペースで文字を読み、コードを書くスタイルです。
一方、ドットインストールは講師の操作を追いかけながら写経(コードをそのまま書き写すこと)するスタイルです。
「じっくり読んで理解したい人」はProgate、「動きを見ながら真似したい人」はドットインストールが向いています。
2. 環境構築の有無
プログラミング初心者が最も挫折しやすいと言われるのが「環境構築」です。
- Progate:環境構築をスキップして、すぐにコードを書き始められる。
- ドットインストール:最初のステップとして環境構築を丁寧に行う。
この違いは非常に大きく、「まずはプログラミングがどんなものか触れてみたい」ならProgate、「エンジニアとして働くための準備をしたい」ならドットインストールが優れています。
3. カバーしている範囲と深さ
ProgateはHTML/CSS、JavaScript、Ruby、Python、Go、SQLなど、主要な言語の基礎を網羅しています。
しかし、応用的な内容や、マイナーな言語、周辺技術(サーバー設定など)についてはドットインストールの方が圧倒的に充実しています。
ドットインストールでは、Gitの使い道やLinuxコマンド、VS Codeのカスタマイズなど、現場で必須となる周辺知識まで幅広くカバーされています。

Progateがおすすめな人の特徴
比較を踏まえ、まずはProgateから始めるべき人の特徴を解説します。
プログラミングが完全未経験の人
キーボードを打つのに慣れていない、あるいは「変数」や「条件分岐」といった言葉を聞いてもピンとこない方は、Progateが最適です。
図解をふんだんに使ったスライドは非常に分かりやすく、挫折するポイントが極限まで削ぎ落とされています。
挫折したくない、成功体験が欲しい人
Progateの演習は、指示通りにコードを入力して正解すると、ポップな演出とともにレベルが上がります。
この「できた!」という小さな成功体験の積み重ねは、学習初期のモチベーション維持に非常に効果的です。
隙間時間にスマホで学びたい人
Progateにはスマートフォンアプリ版が存在します。
通勤中の電車内や寝る前の数分間で、クイズ形式で知識を確認できるため、忙しい方でも継続しやすいのがメリットです。
ただし、アプリ版だけでは「コードを書く力」は身につきにくいため、PC版と併用するのがおすすめです。

ドットインストールがおすすめな人の特徴
次に、ドットインストールを積極的に活用すべき人の特徴を挙げます。
開発環境を自分で作れるようになりたい人
プログラミング言語だけを覚えても、自分のPCでソフトを動かせなければ意味がありません。
「自分のPCを開発マシンに変える」プロセスを動画で見ながら学べるドットインストールは、本気でエンジニアを目指す人にとって必須のステップと言えます。
実際の開発現場に近い感覚を掴みたい人
ドットインストールの動画では、講師がタイピングする音や、エラーが出た際の対処、便利なショートカットキーの使い道などがそのまま収められています。
これはテキストベースの学習では得られない「エンジニアのリアルなリズム」を学ぶことに繋がります。
短時間で特定の技術をピンポイントに学びたい人
「jQueryのこのプラグインの使い方だけ知りたい」「Canvasを使った描画に挑戦したい」など、特定の技術要素について学びたい場合、ドットインストールの膨大なライブラリは強力な辞書代わりになります。

迷ったらこれ!おすすめの学習順序とロードマップ
「どっちも良さそうだけど、結局どう進めればいいの?」という疑問に対する答えは明確です。
最も効率的なのは、「Progateで基礎を掴み、ドットインストールで環境構築と応用を学ぶ」という流れです。
ステップ1:Progateで「プログラミングの概念」を理解する
まずはProgateの無料枠、あるいは1ヶ月だけ有料プランに登録し、以下のコースを1~2周しましょう。
- HTML/CSS
- JavaScript
- 学習したい主要言語 (Python, Ruby, PHPなど)
ここでは「完璧に暗記する」必要はありません。
「プログラミングってこういう仕組みで動くんだな」という全体像を掴むことを目標にしてください。
ステップ2:ドットインストールで「自分の環境」を構築する
Progateで基本的な文法が分かったら、ドットインストールに移行します。
まずは「ローカル開発環境の構築」系のレッスンを受け、自分のPCでプログラミングができる状態を作ります。
その後、Progateで学んだ言語と同じコースを動画で見ながら、自分のエディタ(VS Codeなど)で写経していきます。
ステップ3:ドットインストールで「ミニアプリ」を作る
ドットインストールには「おみくじを作る」「タイピングゲームを作る」といった、具体的な成果物を作るレッスンが豊富にあります。
これらを実際に作成することで、バラバラだった知識が「繋がる」感覚を味わえるはずです。

料金プランの詳細と比較
継続して学習する場合、有料プランへの加入が必要になります。
それぞれの料金体系を確認しておきましょう。
| サービス名 | プラン名 | 料金 (月額) | 備考 |
|---|---|---|---|
| Progate | プラスプラン | 1,490円 | 全てのレッスンが公開。アプリ版も利用可。 |
| ドットインストール | プレミアムサービス | 1,280円 | 全動画視聴、ソースコード閲覧、講師への質問(回数制限あり)が可能。 |
どちらも月額1,500円以下と非常にリーズナブルです。
まずはProgateで1ヶ月集中して基礎を終え、翌月からドットインストールに切り替えるといった方法を取れば、最小限のコストで最大級の学習効果を得ることができます。
学習を継続するための注意点
Progateもドットインストールも優れた教材ですが、それだけでエンジニアになれるわけではありません。
学習を成功させるためのポイントを3点お伝えします。
1. 「理解したつもり」に注意する
特にProgateに多いのですが、指示通りに入力して正解判定が出ると、分かった気になってしまいます。
しかし、いざ真っ白なエディタを前にすると何も書けないという状態になりがちです。
「なぜこのコードを書くのか?」を常に自問自答し、ドットインストールに移行した後は動画を見ずに書ける部分を増やす努力をしましょう。
2. 環境構築でハマっても諦めない
ドットインストールで最初に行う環境構築は、プロでも苦戦することがあります。
OSのバージョン違いなどで動画通りにいかない場合もあります。
その際は、Googleでエラーメッセージを検索したり、サービスの質問機能を利用したりして、「自力で解決するスキル」を養うチャンスだと捉えましょう。
3. 早めに「作りたいもの」を見つける
教材をこなすことが目的(いわゆる「教材コレクター」)にならないよう注意してください。
基礎が半分くらい終わったら、どんなに小さくても良いので自分なりのオリジナルアプリを考え始めましょう。
その過程で足りない知識を、再びProgateやドットインストールの特定のレッスンで補う。
この往復こそが最も成長を加速させます。

まとめ
Progateとドットインストールは、どちらが優れているかという対立関係ではなく、「学習のフェーズに合わせて使い分けるべき補完関係」にあります。
- Progate:プログラミングの「楽しさ」を知り、基礎概念を「視覚的」に理解するためのツール。
- ドットインストール:自分のPCで開発する「実戦力」を養い、幅広い「周辺知識」を吸収するためのツール。
まずはProgateで挫折せずにスタートを切り、その後ドットインストールでエンジニアとしての土台を固める。
この順序こそが、多くの現役エンジニアも推奨する王道の学習ルートです。
どちらのサービスも無料で試せるレッスンが用意されています。
まずは今日、数分だけでも手を動かしてみることから始めてみませんか?
その一歩が、新しいキャリアの始まりになるはずです。
