【初心者向け】Pythonのインストール方法:Windows/Macでのダウンロードから環境設定まで徹底解説

Pythonは学習から実務まで幅広く使える人気言語です。

本記事では、WindowsとMacの両方に対応した「最初の1台」にふさわしいインストール手順を、ダウンロードから環境設定、仮想環境の使い方やトラブル対処まで丁寧に解説します。

初心者の方でも確実に動かせるよう、確認コマンドやよくある注意点もあわせて紹介します。

目次
  1. Pythonのインストール準備:対応OS・推奨バージョン・必要環境
  2. Windows(Windows 11/10)でのPythonインストール手順
  3. Mac(macOS)でのPythonインストール手順
  4. 開発の初期設定:pipと仮想環境(venv)の作成・有効化
  5. トラブルシューティング:PATHエラー・複数バージョン・権限問題
  6. よくある質問と次のステップ:アップデート・アンインストール・IDE
  7. まとめ

Pythonのインストール準備:対応OS・推奨バージョン・必要環境

初心者向けの推奨バージョン(最新安定版3系)と64bitの選び方

はじめての方には、原則として「最新の安定版(3系)」の64bit版をおすすめします。

記事執筆時点の最新は3.13系ですが、ダウンロードページで最も新しい「Stable(安定版)」を選べば問題ありません。

  • 64bitを選ぶ理由は、ほとんどの現行PCが64bitであり、科学計算や機械学習などのライブラリも64bit前提で提供されているためです。
  • CPUアーキテクチャは環境に応じて選びます。目安は次のとおりです。
環境推奨ビルド備考
Windows 10/11(一般的なPC)64-bit (x86-64)インストーラー名は「Windows installer (64-bit)」など
Windows 11/10(ARM64デバイス)ARM64ARM版Windowsを使用している場合のみ
macOS(Apple Silicon:M1/M2/M3)universal2Intel/Apple Silicon両対応(python.org配布の.pkgは通常universal2)
macOS(Intel Mac)universal2そのまま利用可能

公式サイトのダウンロードページ確認と注意点

Pythonは公式サイトから入手します。

安全性と互換性の観点から、原則として以下からダウンロードしてください。

黄色いボタンから使用しているOSに合う最新バージョンを入手できる

Windows(Windows 11/10)でのPythonインストール手順

公式サイトからのダウンロード方法とインストーラーの選択

  1. 公式サイト https://www.python.org/downloads/windows/ を開きます。
  2. 一般的なPCは「Windows installer (64-bit)」を選び、実行ファイル(.exe)をダウンロードします。
  3. ダウンロードしたインストーラーを起動します。初回はユーザー権限で問題ありませんが、全ユーザー共通で使いたい場合は「管理者として実行」をおすすめします。

インストールの際、「Add Python to PATH(PATHへ追加)」のチェックはとても重要です。これによりコマンドラインからpythonpipが直接使えるようになります。

Add python to PATHのチェックを入れずにPythonをインストールしてしまった場合、自力でパスを通すこともできますが、パスの通し方がよくわからない場合は、インストーラーを再度実行し、Modifyからセットアップの修正を行いましょう。

インストーラーで環境パスを通し直す手順

STEP1
Modifyを選択
STEP2
Option Featuresはスキップ
ここは何も変更しなくて大丈夫です。
STEP3
パスを通す設定をオンにする
Add Python to environment variablesにチェックを入れてインストールする

これで、環境パスの通し方がわからなくても、パスを通すことができます。

動作確認コマンド:python –version/pip –version/py ランチャー

インストール後、PowerShellまたはコマンドプロンプトで次を実行します。

Pythonインストール作業より前にPowerShellを起動していた場合は、PowerShellを再起動してください(再起動するまで環境パスの変更が反映されないため)。

PowerShell
# バージョン確認(PATHが通っていれば表示されます)
python --version

# pipのバージョン確認(pip自体が使えるかチェック)
pip --version

# WindowsのPythonランチャー(複数バージョン管理に便利)
py -V

# 安全な呼び出し(Python本体に紐づくpipを確実に呼ぶ)
py -m pip --version

想定される出力例
Python 3.12.5
pip 24.2 from C:\Users\YourName\AppData\Local\Programs\Python\Python312\Lib\site-packages\pip (python 3.12)
Python 3.12.5
pip 24.2 from C:\Users\YourName\AppData\Local\Programs\Python\Python312\Lib\site-packages\pip (python 3.12)

補足として、インストール場所を確認する場合は次を実行します。

Batch Fileいずれかのコマンドで確認できる
where python
where pip
py -0p
実行結果
C:\Users\YourName\AppData\Local\Programs\Python\Python312\python.exe
C:\Users\YourName\AppData\Local\Programs\Python\Python312\Scripts\pip.exe
Installed Pythons found by py Launcher for Windows
 -3.12-64        C:\Users\YourName\AppData\Local\Programs\Python\Python312\python.exe *
 -3.11-64        C:\Python311\python.exe

以下は簡単なサンプルコードです。hello.pyを作成し、実行してみてください。

Pythonhello.py
# コメント: 環境確認用の最小スクリプトです
print("Hello, Python!")
PowerShell実行コマンド
python hello.py
実行結果
Hello, Python!

Mac(macOS)でのPythonインストール手順

方法1:python.orgの.pkgでインストール(ダウンロードから実行まで)

  1. 公式サイト https://www.python.org/downloads/macos/ を開き、最新の「macOS 64-bit universal2 installer(.pkg)」をダウンロードします。
  2. ダウンロードした.pkgを開き、画面の案内に従います。通常はデフォルト設定で問題ありません。
  3. セキュリティ(Gatekeeper)でブロックされた場合は、ファイルを右クリックして「開く」を選ぶか、「システム設定 > プライバシーとセキュリティ」で実行を許可します。

インストール後、通常は/usr/local/bin/python3/Library/Frameworks/Python.framework/Versions/3.x配下に配置されます。

方法2:Homebrewでインストール(brew install python)

Homebrewを利用している場合は、次のコマンドで簡単に導入できます。

Apple SiliconではHomebrewは通常/opt/homebrew配下、Intelでは/usr/local配下に入ります。

Shell
# Homebrew が未導入の場合は https://brew.sh/ を参照して導入してください
brew --version

# Pythonのインストール
brew install python

# (更新の場合)
brew upgrade python
実行結果
Homebrew 4.3.x
==> Downloading https://formulae.brew.sh/api/formula.json
==> Installing python
🍺  /opt/homebrew/Cellar/python/3.12.5: 3,000 files, 60MB

動作確認コマンド:python3 –version/pip3 –versionとPATH確認

macOSではpythonがシステムのレガシー版(またはダミー)を指すことがあるため、python3pip3を使います。

Shell
python3 --version
pip3 --version
which python3
echo $PATH
実行結果
Python 3.12.5
pip 24.2 from /opt/homebrew/lib/python3.12/site-packages/pip (python 3.12)
/opt/homebrew/bin/python3
/opt/homebrew/bin:/usr/local/bin:/usr/bin:/bin:/usr/sbin:/sbin

必要に応じてPATHを追記します(Apple Siliconの例):

Shell
# ~/.zshrc に追記(macOS標準シェルはzsh)
export PATH="/opt/homebrew/bin:$PATH"

開発の初期設定:pipと仮想環境(venv)の作成・有効化

pipのアップグレードと基本コマンド(install/uninstall/list)

Pythonのパッケージ管理はpipを使います。

まずは最新化します。

Shell
# Windows: PowerShell でも bash でもOK(Python対応のシェルで)
python -m pip install --upgrade pip

# macOSでは python3 -m ... を推奨
python3 -m pip install --upgrade pip
実行結果
Successfully installed pip-24.2

基本的な使い方は次のとおりです。

Shell
# インストール
python -m pip install requests

# アンインストール
python -m pip uninstall requests

# インストール済み一覧
python -m pip list
実行結果
Collecting requests
...
Successfully installed requests-2.32.3

Found existing installation: requests 2.32.3
Uninstalling requests-2.32.3:
  Successfully uninstalled requests-2.32.3

Package    Version
---------- -------
pip        24.2
setuptools 70.0.0

ポイントとして、Windowsではpy -m pip ...とすることで確実に対象バージョンのpipを呼び出せます。

venvの作成と有効化(Windows/macOSのコマンド例)

プロジェクトごとに依存関係を分離するため、仮想環境venvの利用が推奨です。

Shell作成コマンド
# 作業ディレクトリで実行
python -m venv .venv  # macOS は python3 -m venv .venv でも可

PowerShell有効化と無効化(PowerShell)
# PowerShell
.\.venv\Scripts\Activate.ps1
# 実行ポリシーでブロックされた場合は一時的に許可
Set-ExecutionPolicy -Scope Process RemoteSigned

# 無効化
deactivate

Batch File有効化と無効化(コマンドプロンプト)
.\.venv\Scripts\activate.bat
deactivate

Shell有効化と無効化(macOS / Linux)
source .venv/bin/activate

# 無効化
deactivate

有効化後はプロンプトに(.venv)のような表示が出て、pythonpipが仮想環境内のものに切り替わります。

requirements.txtでの依存関係管理

チーム開発や再現性の確保には、依存関係をファイルで管理します。

作成とインストール:

Shell
# 現在の環境をファイルに固定(ピン止め)
python -m pip freeze > requirements.txt

# 別環境で同じ依存関係を再現
python -m pip install -r requirements.txt
requirements.txt
requests==2.32.3
pydantic==2.8.2

トラブルシューティング:PATHエラー・複数バージョン・権限問題

“pythonが見つかりません”の対処:環境変数PATHの確認と再設定

Windowsの場合:

Batch File
where python
where pip
echo %PATH%

出力にPythonのフォルダ(例:C:\Users\YourName\AppData\Local\Programs\Python\Python312\...\Python312\Scripts\)が含まれているか確認します。

含まれていなければ、次のいずれかで対処します。

  • インストーラーを再実行し、「Modify」から「Add Python to PATH」を有効化
  • システムの「環境変数」でユーザーPATHに上記2つのパスを追加
  • 「アプリ実行エイリアス(App Execution Aliases)」でpython.exepython3.exeのエイリアスを無効化(Windowsの設定 > プライバシーとセキュリティ > 開発者向け)

macOSの場合:

Shell
which python3
echo $PATH

HomebrewのPythonなら/opt/homebrew/bin(Apple Silicon)または/usr/local/bin(Intel)がPATHの先頭付近にあることを確認します。

なければ~/.zshrcに次を追記します。

Shell
export PATH="/opt/homebrew/bin:$PATH"   # Apple Silicon の例

Windowsのpyランチャー/macOSのpython3の使い分け

  • Windows: pyランチャーでバージョンを明示できます。
Batch File
py -V
py -3.12 --version
py -3.11 -m pip list
実行結果
Python 3.12.5
Python 3.12.5
Package    Version
---------- -------
pip        24.2
  • macOS: 原則python3python3 -m pipを使います。複数バージョンを使うなら、pyenvのようなツールもありますが、初心者はまずpython3で十分です。

権限や実行ポリシーの回避(管理者権限・Gatekeeper)

  • Windowsのインストールで失敗する場合は、インストーラーを右クリックして「管理者として実行」を試します。PowerShellで仮想環境を有効化できない場合は、一時的に次の設定を行います。
PowerShell
Set-ExecutionPolicy -Scope Process RemoteSigned
  • macOSで.pkgが開けない場合は、右クリックして「開く」または「プライバシーとセキュリティ」から許可します。ダウンロード属性でブロックされている場合は、自己判断で次の解除も可能です(公式配布物のみ推奨)。
Shell
xattr -d com.apple.quarantine ~/Downloads/python-3.12.5-macos11.pkg
  • sudo pipでのグローバルインストールはシステム破壊の原因になり得ます。基本は仮想環境venvを使い、必要に応じてpipx--userインストールを検討します。

よくある質問と次のステップ:アップデート・アンインストール・IDE

バージョンアップ手順とアンインストール方法(Windows/Mac)

Windows(公式インストーラー)

バージョンアップは新しいインストーラーを実行するだけでOK(並行インストール可)。py -0pで一覧を確認できます。

Batch File
py -0p
実行結果3.13と3.12がインストールされている例
PS C:\WINDOWS\System32> py -0p
 -V:3.13 *        C:\Python\Python313\python.exe
 -V:3.12          C:\Users\User\AppData\Local\Programs\Python\Python312\python.exe

アンインストールは「設定 > アプリ > インストールされているアプリ」から対象のPythonを選んで削除します。必要に応じて残存フォルダ(Python3xxScripts)をクリーンアップします。

macOS(python.org)

  • バージョンアップは新しい.pkgを実行するだけでOK。/Library/Frameworks/Python.framework/Versions/に共存します。
  • アンインストールは、対象バージョンのディレクトリを削除し、/usr/local/binのシンボリックリンク(python3.x, pip3.xなど)を片づけます。誤削除防止のため必ずバックアップし、コマンドは慎重に実行してください。

macOS(Homebrew)

Shell
brew upgrade python
brew uninstall python
brew cleanup

どのOSでも、プロジェクト側の仮想環境は別管理のため、不要ならプロジェクトフォルダから.venvを削除します。

まとめ

Pythonの導入は、公式サイトからのダウンロードと基本設定を押さえれば難しくありません。

Windowsでは「Add Python to PATH」とpyランチャー、macOSではpython3と適切なPATH設定が安定運用の鍵です。

導入後はpipを最新化し、venvでプロジェクトごとに環境を分離すると、ライブラリ競合を避けられます。

トラブル時はPATHや権限設定を点検し、必要に応じて再インストールで整えましょう。

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